悪霊VS魔退師行き着く先は地獄だった。
ここはゾルビオ王国、そこに悩める一人の王妃がいました。
王妃は中々子供に恵まれず、国王は愛人を沢山囲い愛人はどんどん国王との子供を産んでいたのです。
そして、子供が出来ない王妃を国王は邪魔に思い遂に毒殺してしまったのです。
そして、国王は愛人の一人を妻に迎え子供達を可愛いがっていました。
しかし、月日が経つにつれゾルビオ王国に徐々に不運が立て続けに起きるようになったのだ。
何と、子供が10歳になると原因不明の病にかかり亡くなってしまうのです。
段々ゾルビオ王国に子供が居なくなり始め、
子供を産む女性も居なくなり、このままでは国は滅びてしまいます。
そして、国に悪い噂が流れ始めました。
真夜中になると亡くなった王妃が悪霊になり怨み言を言いながら町中を徘徊していると。
国王は困ってしまった、まさか信じたくはないがこれは毒殺して殺した王妃の呪いなのかと。
そして、国王は悪霊退治をする為にある退魔師を雇ったのです。
退魔師のセレクトは口髭を囃し逞しい体型をしていました。
そして、国王からの依頼を受け悪霊退治を引き受けたのだ。
真夜中になると悪霊が出ると言い町の人々は家から一歩も外に出なくなったので、町中は静まり反っていた。
セレクトが町中を一人で歩いていると、急に辺り一面に霧が立ち込め、髪の長い女性がブツブツ何かを言いながら歩いて来たのだ。
耳を澄ますと「許せない…恨んでやる…この国を滅ぼしてやる…」と言いながらこちらに向かって来たのです。
セレクトは悪霊が目の前に来ると「そなたは誰だ?何故心に闇を抱えておる」と話掛けた。
悪霊は初めてセレクトの存在に気付き、怨めしそうな顔でセレクトを睨んで来たのだ。
「何故私が殺されなければならぬのだ、子供が出来ないだけで」と言いながらセレクトに飛びかかって来た。
セレクトは呪文を唱えながら悪霊から距離を取った。
悪霊は呪文により苦しそうに悶えたが、怨みの方が強く更にセレクトに掴み掛かりながら叫んだ「私は王妃だ、国王に殺された王妃なのだ、許せない国王を殺さなければこの怨みが晴れぬ」
セレクトは更に呪文を唱え続け悪霊と化した王妃の手を振りほどいた。
「しかし、子供に罪はなかろう、10歳になると子供は亡くなってしまうなんてそなたの呪いなのか?そなたの悔しい気持ちも解るが、このままではこの国は滅びてしまう。どうか国の為に呪いを解いてくれぬか」
「私だって子供を産みたかった、でも出来なかった、愛人にはどんどん子供が出来て私は役立たずと罵られ殺された、許せない」
すると、セレクトはそっと悪霊を抱き締めたのだ。
「このままでは駄目だ、永久的に悪霊のままこの世をさ迷い続けては後戻り出来なくなる、今ならまだ間に合う、どうか気持ちを静めてくれないか」
「何故私を退治しない?おまえなら簡単に私を退治出来るだろう」
「俺は君を退治したくない、退魔師失格だな、王妃よあなたの名前は何と言うのだ」
「私は…エ…レ…ナ」
「エレナよ、俺は力を使い過ぎた、そろそろ体力の限界が来ている、退魔師の仕事は寿命を縮めるのだ、今回が俺の最後の仕事になるだろう、最後にあなたに会ったのは何かの縁かもしれぬ、悲しき女よこのまま一緒に俺とあの世に行かぬか?」
「わ、私は罪を犯した、子供達の命を奪った、私の行き先は地獄」
「では、俺も一緒に地獄に落ちよう、一人より二人の方がこの先楽しかろう」
「良いのですか?地獄に落ちても」
「俺も散々悪い事をして来たからな、それにエレナよ、俺はおまえに心を奪われたのだ、共に行こう」
「はい」
そして、セレクトとエレナは地獄へと旅だった。
その後、国王は色々な悪事がばれ公開処刑された。
そして、国王は地獄へと落とされ地獄てエレナに散々痛め付けられた。