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第九話〜笑顔〜
僕が自分の席まで行くと、ブラボーが話しかけてきた。
「おはよう!」
今日もブラボーは元気だ。
「おはよ…。あのさ、一つ聞いてもいい?」
僕はブラボーに言った。
「どうしたの?」
「なんで服とか濡れてるの?」
僕はブラボーに尋ねた。
「ああ、今日傘忘れちゃってさ。」
ブラボーはテヘッ、みたいな感じのノリで言った。
なんで傘忘れたんだろ。
「家出たときに雨降ってなかったの?」
僕はそう思い、ブラボーに尋ねた。
「いや、違うよ?雨降ってた。」
ブラボーは表情を変えずに言う。
「え?」
驚きすぎて口から言葉がこぼれる。
「いや〜、別に傘いらないかなって。」
ブラボーは笑いながら言った。
いや、何してんの。
なんだかそう思ってたら、自然と笑いが込み上げてきた。
「あっ、やっと笑った。」
僕が笑ったのを見てブラボーが安心したように言った。
「え?」
ブラボーは僕が笑わないことを心配してたのかな。
ブラボーの言葉を聞いて、僕は思った。
でも、なんで心配してくれたんだろ。