第六話〜友だち〜
「ジャスパー!よろしくね。」
ブラボーくんはニコッと笑った。
「あっ、ブラボーでいいよ。」
ブラボーは言った。
呼び捨てでいいのかな。
でも、本人が言うなら大丈夫かな。
「わかった。」
ブラボーはなんだか嬉しそう。
なんでだろ。
てか、なんにも気にせず歩いてるけど、ブラボーの家はこっちの方向で合ってるのかな。
僕の家はこっちの方向だからいいんだけど。
「ブラボーの家はこっちの方向なの?」
僕は勇気を出して尋ねた。
人と話すのに慣れてなかったから、一言話すのにもとても勇気がいる。
「ん?そうだよ。」
ブラボーは言った。
よかった、こっちの方向だったんだ。
正直言うと、僕に合わせてこっちの方向に来てたんじゃないかとか、迷惑かけてないかと心配だった。
そんなことを考えていると、僕の家の直ぐ側まで来ていた。
「あっ、僕ここだから。じゃあね。」
僕はブラボーに言った。
家に向かおうとするとブラボーが僕の腕を掴んだ。
「まって!」
いきなりのことに僕は驚いた。
「どうしたの?」
何を言われるんだろう。
僕何かしたかな。
大丈夫かな。
「あのさ、もしよかったら友だちになってくれませんか?」
「え?」
ブラボーはとても真剣な顔をしていた。
だから嘘じゃないってすぐわかった。
こんな事言われたのは初めてだった。