第四話〜一緒に帰ろう〜
休み時間になるとブラボーくんはみんなに囲まれてた。
みんな転校生のブラボーくんに興味津々だった。
どこ小学校からきたのとか、好きな食べ物はみたいな質問されてた。
どこらへんに住んでるのか聞いてるやつもいた。
一緒に帰ろうぜとかって誘おうとしてたんだろうな。
正直羨ましかった。
僕も誰かと一緒に帰ってみたかった。
いつも一人だった僕は、正直言うと寂しかった。
いつか親友と言える人が欲しかった。
でもそんな事、到底無理だろうな。
僕はみんなと違って羽が生えてるんだから。
僕の予想はあたって、ブラボーくんは一緒に帰ろうぜと誘われていたのが聞こえた。
僕とブラボーくんの席は隣。
隣の席で会話してるから、会話の内容なんて当たり前のように耳に入ってくる。
聞きたくなくても聞こえてくる。
きっと一緒に帰るんだろうな、そう思ってた。
だけどブラボーくんはその誘いを断った。
断ったことに驚いていると僕の方を見て言った。
「今日、一緒に帰らない?」
「えっ?」
僕はいきなりのことに、開いた口が塞がらなかった。
「えっと、僕?」
僕は周りを見渡した。
ブラボーくんが見ている方向には僕しかいない。
僕は端っこの席だから教室は後ろには続いていない。
当然、後ろには誰もいない。
ブラボーくんは僕に対して言ったのだろうか。
「そうだよ。君に言ってる。」
ブラボーくんは言った。
僕は理由がわからなかった。
なんでこんな僕と一緒に帰ろうなんて言うのかが。
「別にいいけど……。」
僕は小さな声で言った。
声が小さかったからか、周りがうるさかったのかはわからないけど、みんなは僕の声が聞こえていないみたいだった。
でもブラボーくんは聞こえていたみたいで、子どものように喜んだ。
子どものようにって、まだ僕もブラボーくんも子どもだけど。
なんでそんなに喜んでいるのかがわからなかった。
僕と一緒に帰れることがそんなに嬉しいのか?
このこの考えていることはよくわからない。