天国から地獄
ポヨン ポヨン ポヨン ポヨン
オレンジという町にやってきた。
なぜここに来たのかと言えば、道中で人間たちが楽しそうに
「いやぁあの姉ちゃん達最高だったな!」
「オレンジ最高!姉ちゃん最高!」
なんてはしゃいでたもんで、オレンジというのが町の名前であることをつきとめ、
やってきた次第なのだ。
ただ俺は魔物。
またすぐ捕まえられても困るので、
空の樽に隠れながら進むことにした。
カランカラン
「いらっしゃいませ~...ってアレ?」
''やべえ!甘いニオイでつい入っちまったが、コレはバレたら一貫の終わりだ''
「なんで樽が...あー!!!」
''Oh バレちまった。クソ!神様仏様田中様!
どうかこのカワイくて硬くて重いスライムをお助け下さいマシマシ!
「カワイイ!!!」
''え?''
「スライム?だよね!カワイイ!」
「私初めてみた!」
「抱っこしたい!」
「私も!私も!」
''なんだこれは、なんという展開でしょう。
女の子たちにモテモテではあるまイカ''
「よいしょっ、よいしょ!うーん!おりゃあアア!!!」
''うお!?俺を持ち上げるなんてスゲー女の子だな!''
ドスン!!!
「ウギャアアアア!!!足が!太ももが!」
「キャアアア!!」
「大丈夫!?」
「誰か早く!お医者さん呼んで来て!」
''Oh 太ももが潰れるの見たくなかったな。ていうかこの状況ヤバくね?これはコソコソっと逃げるべきだろうな''
コソコソ
「て~め~よくもウチの女の子怪我させてくれたなクソスライムめぇ!!!」
''はう!ヤベエ!めっちゃ怖ぇ!コソコソして逃げてる場合じゃねえ!DASHで逃げる!!''
こうしてヘビーメタルスライムはその重さ故に抱っこもされず、挙げ句の果てには殺人未遂容疑をかけられ、追われる身となった。
''俺は何もしてないぞ~!!!''
続く