カブトムシ紛争
ポヨン ポヨン ポヨン ポヨン
進化のオンパレードで最強、最重、最硬になったスライムことヘビーメタルスライムは、
北の大地に行く道中で村を見つけた。
ポヨン ポヨン
''人気のない村だなぁ''
村の入り口にはオオカブトの里と書かれた看板がぶら下がっている。
''なんだここは、オオカブト?カブトムシか?''
「キサマ、誰だ!」
スライムはウロウロしているといつの間にかバカでかいカブトムシたちに囲まれていた。
「この村に何しに来た?さては奴らのスパイだな!?」
''うーむこれは明らかに勘違いされている''
しかしポヨンしか喋れないために
「このスライムめ!食ってやる!」
ヘビーメタルスライムは危険を察知して体重を極度に重くし、カチカチに硬くした。
「ぐ、うおお!なんだコイツ、お、重い!持ち上がらねえ!」
''そうだろ、そうだろ?どうだ最強最重最硬のスライムとは俺のことよ~''
''今の俺はヘヴィでメタルだからな~パンテラのCowboys From Hellよりヘヴィだぜ?''
ただこのままでは誤解が晴れないので、攻撃はせずに一旦逃げることにした。
案の定めっちゃ追って来るが、森に隠れてしのぐことに成功した。
この時、気配を消せるスキルを取得したもののなんて名前だったか忘れちまった。
「あのスライム、なんか変だったな」
「ああ、あんなスライム見たことねえ」
「でもよぉ、ヘラクレスの奴らがあんなスライムを使うか?」
「ああそれも引っ掛かってんだよ」
''お、なんだか勝手に疑いが晴れていきそうだ''
「あのスライム、関係ねえんじゃねえか?」
''お、いいねいいね~''
「でも今度来たらぶっ飛ばしてやる!」
''なんでだよ!''
ドン!ドン!ドン!
''何か近づいて来るな''
「フン、このヘラクレス様が貴様ら下等なオオカブト族をぶっ潰してやる!」
''こいつがヘラクレスかぁ~、デケエ''
「何を!貴様のようなデカイだけのバカに負けるものか!」
''いやお前らも相当デカイぞ、うん''
「フン、言うじゃねえか!勝負だ!」
10分後
「カーッハッハッハ!どうだ!このヘラクレス様が貴様らごときに負けるワケがなかろうが!」
「クソ~バカクレスめ!」
ガサゴソ
「ん?」
''あっ''
隠れていたつもりだったが、いつの間にか出ちゃってたみたい。
「なんだ貴様は。スラ...イム?なんか変なスライムだな」
''ヤベェ見つかっちゃったよ''
「オイ!ヘラクレス!どうだ?賭けをしないか?そこのスライムに勝てたらお前の軍門に下ろう。もし勝てなかったら俺たちの奴隷になれ!」
「フン、おもしれぇじゃねえか!スライムごとき簡単に勝ってやるぜ」
10分後
「ぐああなんだこのスライムの重さは!」
ヘビーメタルスライムはこなきジジイ的要領でヘラクレスの上に乗っかってた。
更に10分後
「ぐああ!!重い!重すぎる!目が!目の前が、暗く...なって..来た」
ドターン!
「やったぁ!俺らの勝ちだぁ!!」
オオカブトの里に平和が訪れた。
''あいつら他力本願でよくあそこまで喜べるな''
「ありがとう!スライムよ!お前の事は忘れない!」
なんやかんやでオオカブトの里は救われた。
おれはまた旅に出ることにした。
ポヨン ポヨン ポヨン ポヨン
続く