救世主伝説 スライムの拳
ポヨン ポヨン ポヨン ポヨン
うっ、うーん。
目を覚ましたスライムはビックリ仰天!
目の前には無数のサソリ!
ウジャウジャと黒い背中が走り回る。
気持ち悪ぅ〜!!!
おお、目覚められたか。
サソリ達がモーゼの十戒の如く道を開けると、
物凄いヨボヨボのじいさんが立っていた。
人間っぽい。
我らが救世主よ!スコーピオン族を救いたまへ!
Oh...イッテルイミワ、ヨクワカリマセーンガ、スゴイジシンデスネ〜オジーサァン。
救世主スライム様!どうかこのサソリ達をお救い下さいマシマシ。
我らスコーピオン族はこれだけ数がいるのですが、
獲物が少なくなった事により食料調達が困難になったことであと1日しか持ちません。
どうか我らに恵みを与えて下さいマシマシ。
"ほーかほーか、なるへそねえ。
そりゃあ大変だな。
良し!我が救世主がやってやろう!"
って聞こえるワケねーか。
善は急げ!悪は滅びよ!
とは言いつつも、砂漠には砂しか無い。
そこでスライムは硬い頭を使って閃いた!
養殖すればいいのだ!
近くの漁港(近くと言っても300km先)から魚を持って来て養殖開始だぁ!
ついでに設備と人員も持ってくれば良し!
早速取り掛かる。
この時は意気揚々で全然気付かなかったが、
よく考えれば分かること。
よく考えなくても分かるかもしれない。
養殖だって時間がかかる。
だからあと1日しか持ちませーん言うとる所に持ってきても即効性がないからヤバい。
そういうわけで人員、設備、その他諸々ぜんぶ寄付するから後はよろしく的な感じでオマカセ。
ありがたや〜って言ってたからOK牧場でしょ?
それからポヨンって聞こえたのはスコーピオン族も跳ねながら移動するらしい。
そゆこと。
ヘビーメタルスライムの険しい旅はまだまだ続く。




