城下町
ポヨン ポヨン ポヨン ポヨン
まさかの魔王軍入りとなったヘビーメタルスライム。
ただ魔王軍入りとは言ってもやることは特にない。
暇なので魔王城の城下町でも探索することにした。
いい感じの茶屋発見。
店に入ると、けっこう賑わってんじゃない。
"人間とあんまり変わらないんだな、容姿も何もかも"
渋いおちゃ茶をしばいて、一服。
向かいには飯屋がある。
でかでかと牛!って書いてある。
後で行ってみよう。
店を出たら、子供とぶつかった。
あ!スライムだ〜!
あっちゅうまに子供に大人気のマスコット状態。
"わしゃクッションか!"
とツッコミたくなる程ハグの嵐。
"これがお姉さんだったらな"
なんて思ってると、バックハグ!
いや~んカワイイ!
キレーなお姉さんに抱っこされて、赤くなる。
"いやぁやっぱこれでしょ!"
お姉さんと一通り触れ合ったあと、
魔王軍の兵士と出会った。
なんでも好きな人がさっきの茶屋で働いてると。
ええやん、素敵やん。
紙に「言うたらええやん」と書いて伝える。
いやいやそんなの無理だよ〜と影から見てるだけ。
端から見たらめっちゃ不審者ですよ。
仲を取り持ってやろうかと、お店に行く。
兵士が好きというその人と出会った。
すると、「スラちゃんはカワイイカワイイ言われて良いよね〜私の彼氏なんか一回も言ってくれないもん」
あー聞かなきゃ良かった。
世の中、聞かん方が良いこともある。
そういうことだ。
兵士にはガンバレとだけ、伝えた。
"なんか切ない、帰ろ"
トボトボと、夕暮れの道帰る時、思ふあの娘には、
アウトオブ眼中
スライム心の一句。
続く




