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私を忘れないで


 桜は満開になるまで風が吹いても散らないが、満開になったら何もしなくても花びらは舞い散る。


「桜散る」は、受験に失敗したという表現に使われるけど、個人的には納得がいかない。

 精一杯開かないと散らない、でも満開になったら散ってしまうのは、寿命みたいで、努力したけど実らなかった事と結びつけるのは違うのではないかって。



「じゃあ、桜散るっていうのは君にとっては天に召されるってことか」


「あー、うん。そうかも」



 だから、私は天に還るのは桜の舞う日がいいと思っているのかも。



 私を失っても、他の誰かと幸せになってほしい。

 だけど、桜が散るのを見た時だけ、私のことを思い出してほしい。



 この満開の桜をふたりで見たことも。

 今のこの幸せな日々も。


 年に一度だけ、私のことを思い出してくれればいい。



 決して口に出せない。

 たったひとつの願いごと。





────桜散る



 2024.04.17.

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