表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
313/350

幼馴染と、こたつでみかん


 炬燵──それは一度入ったら出られない、悪魔の暖房器具。

 幼馴染歴二十年を超える男友達と炬燵に入り、ダラダラとテレビを見ながら、みかんの皮を剥く。これぞ日本の年末年始って感じでいいねぇ。

 ティッシュの上に半分に割った中身を置き、一房ずつ白い筋を取り、再びティッシュの上に並べていく。

 幼馴染がそれをつまみ、躊躇うことなく自分の口の中に放り込んだ。


「ちょっと、ねぇ!」

「ん?」

「それ、私が剥いたやつだよ」

「うん。知ってる。ありがとう」

「そうじゃなくて! なんで食べちゃうのよ!」

「え、俺に剥いてくれてるんじゃないの?」

「なんでだよ。私が自分で食べるためだよ」

「そっか。悪い悪い」


 そう言って彼は「ほれ、あーん」と、みかんを一房私の口元に差し出す。


「あのねぇ」

「食わねーの?」


 半ば無理矢理、口の中に押し込まれてしまった。



 そんな私たちのやり取りを見ていた母が一言。


「あんた達、本当に仲良いわねぇ。いい加減、結婚すればいいのに」


 後半のセリフは余計だよ、お母さん!




────みかん


 2024.12.29.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ