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彼女の季節


 ローカルテレビ番組やラジオから聞こえてくるのは、季節の挨拶のような注意喚起。


『タイヤの交換はお済みでしょうか』

『冬用タイヤへの交換はお早めに』



 山に三度雪が降ると里でも降る──という言い伝えがある。


 すでに二度雪を冠った山。

 今朝は濃い霧で何も見えない。



 ルーズリーフを一枚取り出して、彼女は窓の外へと視線を向けた。


「ふふ……たのしみ」


 にまにまと笑う彼女。

 おそらく、これから始まるウインタースポーツシーズンに思いを馳せているのだろう。


「また勉強中なのにニヤニヤしてる。そんなにスキー場のオープン日決定が嬉しいか」


 週明けからの試験が終われば自宅学習期間という名の試験休み。

 ちょうどその頃に大雪が降るという予報が出ているのだ。


「だって、新しいウェア買っちゃったんだもん。見る?」

「いや、今はいい」

「えー」

「勉強が先だろ。終わってから見せてくれよ」



 筋金入りのスノーボーダーの彼女が、一番輝く季節がやってくる。




────雪を待つ


 2024.12.15.

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