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切り取り線


「ありがとう。気持ちは嬉しいけど、君のことは……その……俺、好きな子いるから。ごめん」


 わかっていた。

 わかっていた、のに。



 先輩がそういう目で見ているのは、私ではなく、あの子。

 そんなこと、見ていたから知ってる。


 愛しいものを見るような表情、切なそうな苦しそうな先輩の視線の先には、いつもあの子しかいない。


 私なら、先輩にあんな辛そうな顔をさせないのに。

 そんな目であの子を見ないで。


 あの子は、先輩の気持ちに全然気付いていない。

 そのことに苛立って仕方ない。

 あの子は何も悪いことをしていないのに。


 自分の気持ちに区切りをつけなければ、自分がどんどん嫌な子になってしまう気がした。



 先輩は私のことをなんとも思ってない。


 それを先輩から聞きたかった。


 そうでもしないと、諦められないほど、私は先輩のことが、すごく、すごく、好きだったのだ。自覚しているよりも遥かに。




 ごめんなさい先輩、私の告白は、きっと自己満足でしかなかったんです。

 ありがとう先輩、ちゃんとフってくれて。



 さようなら、初めての恋。





────ありがとう、ごめんね


 2024.12.08.

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