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期待を背負って、決意を背負って


 ボールを追いかける彼を、私がどんな気持ちで見つめているか、彼はきっと知らないだろう。


 この辺りでは有名な必勝祈願のお守りを両手で包み込む。


 どうか、どうか、あと、一点!



 最後の大会を勝利で締めたい、と彼は言っていた。


 もしも私に不思議な力があっても、彼は奇跡を望まないだろう。

 そんなことわかっているし、私に不思議な力なんて無いけど、祈ってしまうのは仕方がない。



 ボールを受け止めた彼が、ゴールに向かって走り出す。

 立ち上がりそうになるのを堪える。



 昨日、彼とした会話を思い出す。


「優勝したら、話を聞いてほしいんだ」

「それって優勝しないとできない話なの?」

「そうじゃないけど……そうでもしないと言えないっていうか」


 期待させる台詞を吐いた彼を恨んでる。

 変なフラグ立てないでよ。

 話なんて、いつでも、いくらでも、聞くのに。


 彼の姿を一瞬でも見逃さないように、唇を噛み締めた。





────力を込めて


 2024.10.07.

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