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High jump


 君がどれだけ努力していたのかを、どれだけのことを我慢していたのかを、知っている。

 僕はただ、祈ることしか出来ない。



 そりゃ、良い結果を残せたら最高だ。

だけど、僕が祈っているのは、君が怪我をしないこと。

 こんなこと、本人にはとてもじゃないけど言えない。怪我をしてサッカーを辞めた僕に気を遣ってしまうだろうから。



 君がチラリと僕を見る。

 右手を挙げて、踏み出す。

 走って、走って、跳んで、くるりと一回転。

 まるで翼が生えているかのように。


 そして、すぐに僕の方を見る。

 真っ直ぐに伸びた背筋。

 満開のひまわりのような笑顔で。

 それを見て、やっと僕は息が出来る。


 それなのに、眩しくて、眩しくて、君がそのまま空に吸い込まれてしまいそうで、胸の奥が痛い。





────踊るように


 2024.09.07.

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