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近くに居なくても


 歩いているとき、ふと目に留まった名も知らぬ花。

 コンビニの前、駐車場で跳ねる鳥。

 見上げた空に浮かぶ雲の形。



「そんなん撮ってどうすんだ? インスタ?」


 大学の同じ学部の友人が首を傾げた。


「いや、そうじゃなくて……」

「女か!」

「あー、うん」

「ま、マジか……お前に彼女がいるとか……」


 なんでそんなこの世の終わりみたいな顔して見てくるんだ。


「どうせ二次元キャラとか脳内彼女とかだろ」

 

 失礼なやつだな。実在してるっつーの!


 俺は、幼馴染だということや付き合い始めたきっかけ、彼女がどれだけ可愛くて可愛くて可愛いかをとことん語ってやった。もちろん、ツーショットの写真も見せてやる。



「うわ。マジで……すっげーかわいいな……」

「そうだろーそうだろーうへへ……」

「隣の男はキモいけどな」

「ほっとけ」



 俺は、その彼女に日常の何気ない風景を送っている。

 返事はスタンプひとつだったりすることもあるが、課題が多く忙しいから仕方ない。


 近くに居られないなら、せめて近くに居る気分を味わってほしい。

 ただ、俺が送りたいから送ってるだけだ。



「遠恋かー。いつまで続くかなー」

「しばくぞてめぇ」




────些細なことでも


 2024.09.03.

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