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カウントダウン



 この街を出ていく日が、近づいてきている。


 日の出が早くなり、最低気温が上がっていく。

 春が、来る。



 三月の中旬にこの町から出て行く私は、この町で今年の桜を見ることはできない。

 こんなことなら、昨春もっとちゃんと見ておけばよかった。



 自転車を漕ぐ。

 緩やかな登り坂の傾斜がきつくなっていく。

 薄川(すすきがわ)にかかる筑摩橋(つかまばし)からの眺めが好きだ。

 観光資源が豊富な街の、観光スポットでもなんでもない、何気ない風景。


 ドラマティックな展開なんていらない。

 四季折々の風景をいつまでも同じ場所で見ていたいだけだ。

 そのことに初めて気がついた。



 あと何回、この景色を見られるだろう。

 そう思い始めた時から、どんな風景もキラキラと輝いて見えるようになった。



────平穏な日常


 2024.03.11.

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