表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/350

月明かり 夜の砂浜 誘う君


「夜の海って、なんかよくね?」

「そうかなぁ。私は怖いけど」

「えー。もっと近くに行こうよ」

「だめだめ。絶対行かないから」


 臨海学校の最後の夜は、ビーチが見える場所でのバーベキュー。

「危ないから夜の海には絶対入らないように!」と言われているし、そもそも私は海がそれほど好きではないのだ。


 波はあまりにも強引で、どこか別の世界へ連れて行かれそうで……



「そんなこと言うなって」

 私の手を引いて海の方へ行こうとする幼馴染。


「嫌だってば!」

「……そんな嫌かよ」


 不機嫌さを隠そうともせず、への字に口を結んでいる。

 いや、不機嫌になりたいのはこっちだよ。


 旅行初日からの言動のおかしさを指摘してやると、彼は頭を抱えだした。


「マジか……」

「ほんと、どうしたの」

「いや、だって……俺ら、付き合って、もう一カ月じゃんか」

「うん。それが?」

「だ、だから、そろそろいいかなーあ、なんて……」

「だから、なにが?」

「な、なにがって、その……」

「……」

「……な、なんでもねーよ!」


 勢いよく顔を逸らしてるけど、薄暗いなかでもわかるほど真っ赤なのがわかる。


 キスしたいなら、はっきりそう言えばいいのに。




────夜の海


 2024.08.15.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ