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海を超えて


『故郷のイントネーションが抜けないその君の話し方は、まるで小鳥が歌うようだね』


 彼はそう言って目を細めた。


 どんなに努力しても外国語は完璧に身につかないと思い知らされる一言。

 だが、それが口説き文句だということを知ったのは、夢を諦めて故郷へ帰ったあとだった。



『君の生まれた町を見てみたいと思ったんだ』


 突然の来訪。驚くほど少ない荷物。

 あぁ、そうだ。彼はこういう人だった。


 

『もう一度、チャレンジしないか』

『もうあの夢は終わったの。今は別のことをしてるし、それにやりがいを感じてるから』


 それになにより、離れて気付いてしまったのだ。

 なんだかんだで、私はこの町が好きなのだということに。

 この町で、ここで出来ることのなかでの最大のことをしてみよう。

 そう思えるまでに、やっと気持ちが落ち着いてきたのだ。


 だから、彼のその先の言葉は聞きたくなかったのに。



────君の奏でる音楽


 2024.08.12.

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