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過去に行けたらしたいこと


 過去に行くことが出来るなら、やりたいことはただひとつ。


 父と母の出会いを阻止する。


「こんな人だったなんて」

 母がよく言っている。

 結婚前は、こんな人じゃなかったって。


 お互い一目惚れで、子供ができたからと結婚したが、その後態度が急変したのだという。毎日毎日怒鳴り合いの喧嘩ばかりしている。



 ふたりが出会っていなかったら、母はどういう人生を送っていただろう。


 父の強い要望で寿退社した母。

「あのまま仕事を続けていれば……」

 そう呟いていたこともあった。



 もしも過去に行けるなら、父と母の出会いを阻止したい。


 両親の人生は変わってしまうだろうけど、たぶん、父も母も、今よりもきっと幸せになれるはずだ。



 私は生まれてこないことになり、消滅してしまうかもしれないけど、母が平穏で幸せな人生を送れるのなら、それはそれで良いか、とも思う。


 時空を超えて、人の人生を変えた代償。

 それが私自身の消滅なら構わない。


 両親の不仲とは別の問題で、私は私で、消えてしまいたいのだから。



────もしもタイムマシンがあったなら


 2024.07.22.


 

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