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揶揄われる筋合いはない


 ある人は、キラキラネームだな、と言う。

 別の人は、古風なお名前ですね、と言う。


 人によって印象が違うのは仕方がないけれど、どうやら読めない人はキラキラネームと認識しているようなのだ。

 仕方がないのかもしれない。


 だが、わざと間違った読み方をされ揶揄われるのは腹が立つ。

 小学生のころ、揶揄ってきた同じクラスの男子に反撃して泣かせたことがあるが、これは黒歴史だ。



 この名前を読める人も、なぜこの漢字でその読み方なのか、知っている人は多くない。

 私の名前の由来は、それと関係がある。

だが、由来を長々と説明するのは面倒で仕方ない。



 古今和歌集の和歌でも使われている言葉。

 読み方は珍しいけど、意外とこの名前の人は存在している。

 私と出会った人は、この先どこかで私と同じ名前の人に会ったとき、間違うことなく読めるはずだ。



「そうは言うけど、まだ出会ってないなぁ」


 長い付き合いの友人が、子供をあやしながら呟く。

 高校入学時にクラス名簿を見て、名前の読み方を尋ねてきたのがきっかけで話すようになった子だ。


「大学の時の友達で、今パートで医療事務してる子がいるんだけど、この前、私と同じ名前の患者さんがいたって」

「へー。どんな感じの人だったって?」

「おばあちゃんだったらしい」

「やっぱり古風な名前なんだよー。まぁ私も人のこと言えないけど」

「だよねー」


 この子に限らず、私の友達は古風な名前の子ばかりなのだ。不思議なことに。



────私の名前


 2024.07.20.

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