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輪廻
刺すような三日月を見ると、あの子との永遠の別れを思い出す。
地下鉄のホームのベンチにずっと座ってた。
帰りたくて、帰りたくなくて。
なんで私じゃなかったんだろうって。
いつ死んでもいいって思ってる私じゃダメだったの?
なんであの子だったの?
こんなこと、誰にも言えない。
あの子には、幸せになってほしかったの。誰よりも。
本当に良い子は神様がすぐ連れて行っちゃうって、誰かが言う。
時が経てば癒えると他人は言う。
それは、あなたが自分を慰めるときに使っていた言葉でしょう?
私にも当てはまるとは限らない。
刺すような三日月は、あの日の私に刺さったまま。
生まれ変わっても、友達になれますようにと祈った夜のことは、生まれ変わってもきっと忘れない。
────月夜
2024.03.07.




