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外に出ない理由


 雨は嫌いではない。

 出かける用事がなければ、の話だけど。


 雨のなかを歩くのは嫌だ。

 どんなに気をつけて歩いていても、靴が濡れる。

 ひどい時には靴下やボトムも濡れる。

 運が悪いと近くを通った車に泥水をかけられる。




 雨は嫌いではない。

 部屋の中から、憂鬱そうな顔で歩いている人々を眺める。


 ずっと続く雨。

 普段なら、自分を責める時間だ。

 だけど、この天気なら外に出ない理由は「雨が降っているから」だけで充分。



 色鮮やかな傘が転がるような、雨の日のスクランブル交差点。

 本屋のエスカレーターからそれを見るのが好きだった。


 でも今は、それを見ることができない。



 降り続く雨。

 あの日からずっと、心の中で降り続いている。



────梅雨


 2024.06.01.

 

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