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mother

 出生の秘密────なんて大袈裟なこと、知りたくなかった。

 だから、母親のことなんて、名前すら知りたいとも思わない。



 遺された子供の気持ちなど、まったく考えていない。

 自分の命と引き換えに産むなんて、虫と同じだ。

 二度と会えない男の子供を命懸けで産むなんて、正気の沙汰とは思えない。


 俺はずっとそう思っていた。




 だが、母のことを知る人物から語られる真実は、それを覆すことばかり。



 俺にこの世界を見せたかった母。


 最期の言葉は光を灯し、道標となっていく。







────小さな命



 2024.02.24.

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