961話 グラディスと孤児達
961話 グラディスと孤児達
サンチェスホームでは、すでにララから念話連絡が入って、
みんな状況は分って居ました。
『で、まぁ俺は行くとして他に誰がいく?』
フランが残ったメンバーを見回すと。
スタンとオーギが手を上げます。
『私も行くわ』
グラディスが手を上げて、立ち上がると、
〔テレポート〕
さっさと行ってしまいます。
『ああ、あいつは子供好きだからな。』
デイブが、さもありなんと言い放ちます。
先に孤児院の近くに着いた着いたグラディス、門から入って行きます。
それを見つけたサンチェス、女の子たちに向って、
『ほら、家のメンバーのグラディス、回復魔法使いだ、
治療院で世話になった子も居るんじゃないのか?』
10歳くらいの女の子が二人、『先生』と言って走って行きます。
飛び付いて来る二人を受け止めたグラディス、
『おやおや、元気に成ったね。』
『あの時、先生が直してくれなかったら、
私達、死んでいたと園長先生に言われたの、
だから、会ってお礼言いたかった。本当にありがとうございます。』
もう一人の娘も
『私も、言いたかった、ありがとうです。
先生、あのおっちゃんの仲間なの?』
グラディスが苦笑いをしながら、
『そうだよ、サンチェスさんは、うちのグループのリーダーだよ。』
『え~。私何か嫌だわ。』
『私もぉ』
『あらあら、そうね、外見はもてない男の代表みたいだけど、
あれで結構出来る男なのよ。』
『え~、先生、あのタイプがストライク?』
女の子トークにグラディスがタジタジです。
『えーとね、彼は仕事が出来る。B級冒険者で仕事が出来る男なの。』
『『ふぅ~ん』』
『あのね、仕事が出来ないイケメンよりよっぽどいいわよ。』
『そうね、仕事が出来ないイケメンを一匹飼うには
貴方達が沢山おかねを稼ぐことが出来無いとダメね。』
『それにね、貴方が稼いでも、仕事が出来ないイケメンを飼と言うのは
あなた一人じゃ満足できない面倒臭い種類の人間よ、』
『じゃあ、あのおっちゃんは浮気をしないの?』
これ以上サンチェスをフォロー出来ないと思ったグラディス、
『本人に聞いてごらんなさい。』
『うん、わかった。』
そう言うと、二人はサンチェスの方へ走って行きます。
グラディスはやばいと思ったのか、
『女の子集まってぇ、治療魔法をおしえるわよー』
女の子が全員顔を上げ、グラディスの方を見ると、走り出します。
次話:グラディスと孤児達の魔力循環




