960話 サンチェスと孤児達
960話 サンチェスと孤児達
ララがサンチェスをB級冒険者と紹介した事で、
子供達、特に男の子の目が輝きました。
ララはシスター・クスにサンチェスが孤児院出身で有る事、
B級冒険者のパーティリーダーでキロの街を基地にして活躍している事
などを説明して孤児院を後にします。
サンチェスは自己紹介した後、男の子達に取り囲まれ、
冒険談をせがまれています。
『おっちゃん、ドラゴン倒した?』
『倒した魔物で一番強いのは何?』
『魔物の倒し方教えろ。』
女の子からは
『女の人居ないの?』
『魔法使い?』
等など、強い人、華麗な人の活躍に自分たちの未来を重ねて思い描く
子供達に特有のわくわく感が伝わり、サンチェスが少し熱くなりました。
『こらこら、一度に話すな、最初に言っておく、俺はおっちゃんでは無い、
これからはサンチェスさんと呼べ。そうしないと返事しないからな。』
子供たちがキラキラした目を向けて頷きます。
『最初はドラゴン、残念だがまだ倒していない、
今、ドラゴンを倒せるのはララ様くらいだな。
俺が倒せるのはワイバーンや地下竜と呼ばれるワニモグラなら問題無いぞ。』
『うっそだ~!ワイバーン空飛べるじゃん。
『ワニモグラだって地面、土の中だぞ。』
『ララ様はメイドだぞ、ドラゴンに適う訳無いだろ。』
子供たちが、嘘つき大合唱サンチェス嘘つきよばわりされて、
ヒートアップしてきます。
『馬鹿野郎、俺だって、空位飛べるぞ。見てろ、』
そう言うと10m程飛び上がり、くるりと回って降りて来ます。
(「おバカ」)
ララから念話、サンチェスがしまったと顔をゆがめます。
サンチェス、ララから出来るだけ眷属の能力は隠すように
言われていたのを忘れて遣ってしまいました。
続けてララから、
(「何か言われたらジャンプでごまかしな。
お前一人じゃ不安だわ、誰か、何人か呼びなさい。」)
子供たちは大騒ぎ
『空飛んだぁーー!』
サンチェスさん首を縮めて、参った顔。
『お前らの相手、一人じゃ無理だ、仲間呼ぶわ。』
(『お前ら、ちょっと来い。』)
チームのメンバーに念話を送りました。
次話:チームサンチェスと孤児達
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 魔物の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
ワニモグラ:
形状はワニ、地中を徘徊。地中から大きな口でパックンチョ。
探査が難しく、斥候泣かせ。表皮が固いが、肉は旨い。
別名、地下竜とも言われる。




