957話 世界樹の精霊セレン
957話 世界樹の精霊セレン
しばらくぶりの王都分邸なので、世界樹の所に行き、セレンを呼びます。
〚ララ様、久しぶりですね。〛
「なかなか来れなくてごめんね。」
〚大丈です。仲間たちからララ様の事は伺っています。
所で、ララ様、レミが妖精に昇格したと聞きましたが、
真面目にお勤めしていますか?〛
「あははは、あれは無理だね。でも、あれはあれで、良いと思うよ。
セレンの思うお勤めではないけれど、十分みんなの訳には立っているよ。
今はアマンの所に修行に行ってるけど、まぁ、ダイジョブでしょう。」
〚ララ様が仰るなら、大丈夫なのでしょうけれど、あの子は精霊や先輩妖精の
指導を受けずに妖精に成ってしまったので、妖精としての理が
分かって居るのかどうか、とても不安です。〛
「ん、まぁ、そこは良いよ、機会が有ったら教えてあげて。」
ララも社交辞令的な軽い気持ちで行ったのですが、
〚ララ様、それでは、アマン殿の修行の目途が着きましたら、
此方に寄こしてください、基本的な事だけでも教えたいと思います。〛
妖精の心得って何じゃいと思ったララですが、
余計な事は言ぬが花、沈黙は金なり、と思い、
「分かった、言っておくよ。」
〚安心しました、それでは宜しくお願い致します。〛
「あのさ、セレンは水の精霊でしょ、でもレミは風の妖精のはず、
ジャンルが違っても良いの?」
〚問題ありません、私の手に余る様でしたら、精霊神様の所に送りますから。〛
恐い事を言っています。
「セレン、世界樹はだいぶ大きく成ったけど、王城の窓、王様が見上げる
程大きく成らないでね。後々問題に成るから。
それから、水場には皆来る?」
〚はい、此処に居る小さな動物達や蛍玉や妖精が情報収集に来ています。〛
「おや、ちょっと聞いてみたいね。」
〚たいした事は話て居ませんよ、色恋沙汰、間男、この辺が多いですから。〛
「妖精たちじゃ仕方ないね、う~ん、悪事を働いている者、計画して居る者
達の話を集める様にしてよ。」
〚ん、分かったわ、でも期待しないでね。〛
ララは了解の意味で手をセレンに上げてその場を離れます。
次話:ララとロバート




