953話 シスター・ニノ
953話 シスター・ニノ
シスター・ラナが
『私の所、ペンタの街の孤児院にいらっしゃい。
子供たちは全員面倒を見ます。』
シスター・ニノが驚いた様にシスター・ラナを見て
『宜しいのですか、孤児院は何処も大変、10人以上の子供たちが
増えると運営が立ち行かなくなるのでは・・・。』
『私の所は大丈夫、ララ様が援助してくれる事に成っているから。』
そう言ってララを見ます。
「はい、はい、10人が20人でも大丈夫ですけど、
シスター・ニノ、貴方も一緒に来てくれるんですか?」
『いいえ、私は本部に戻り、あたらしい任地に派遣されると思います。』
その話を近くで聞いていた年かさの女の子、10歳くらいでしょうか、
『やだ、シスター・ニノが来てくれないんじゃヤダ、
シスター・ニノと一緒の所に行く!』
『『・・・『俺も』『僕も』『私も』・・・』』
全員が口々に叫びます。スープ飲んでお腹に力が入るのでしょう、
さっきまで転がっていたとは思えない大きな声を出します。
「ふ~ん」
ララがちょっと考える様なそぶりをしてから、
三人のシスターに聞きます。
「ねえ、年配のシスターが運営している孤児院ない?」
シスター・クスが答えます。
『王都の孤児院は年配のシスターだけど、あそこは無理ね、
本部の近くだし、シスター見習いの教育場所でも有るから。』
『何年か前だけど、ボテの街のシスターと会う機会があったんだけど、
その時、60歳に近いシスター、子供も多いし、で自分も年だから、
若い人が手伝って欲しいとか、引き継ぎたいとか言って居ましたが・・・。』
シスター・ニノが遠慮深げに言います。
「ボテの街かぁ、あそこはダンジョンが近いから、孤児も多いね。
それに、この街の街道沿いだから、この辺の孤児たちも集めやすいね。」
「よし、王都に子爵様の分院が有るから、協会の本部に掛け合って、
シスター・ニノが子供達と一緒に移動で来るか動いてみるよ。」
シスター・ニノが驚いた様に
『そんな事が可能なんですか?』
「まぁ、特別無理なことを言っている訳ではないし、後は寄進次第かな。」
「話がまとまるまで、此処に居る訳にはいかないから、ノスティンの街、
シスター・クスの所に行きましょう。ペンタの街よりボテに近いから、
良いでしょう。そこの孤児院にも仮住まいを出しますから、問題無いね。」
「あと、気に成るのは、新たな孤児を受け入れる所が無く成るんだよね」
「うーんと、この街が無く成るとして最期まで残る施設って、
冒険者ギルドかな?」
ララさん孤児が出た時、冒険者ギルドに一時的に預かってもらう事を
考えた様ですが、はたして、旨く行くのでしょうか。
次話:孤児の一時預かり




