949話 シスター・クスの不信感
949話 シスター・クスの不信感
十分な援助をするとか言っているけど、先に援助を受取っているはずの
シスター・ラナがそんなに痩せているのはおかしいと、疑っています。
怪訝そうな顔をしているシスター・クスにララが孤児院は人材の宝庫で有る事、
十分な教育を施し、育てて、ララの組織の構成員に成って貰いたい事を
話します。勿論眷属の話はしません。
『はい、素晴らしいお話です、一体どれ位の子供たちが救われる事でしょう。
しかし、私は、ララ様を存じ上げません。私の知り合いであるシスター・ラナ
のお話ならば信じる事も出来ましょう。
けれども、もう10年近くお会いして居ませんでした。
今はその変わりように驚いている所です。』
ララは気が付きましたね、ララに気を使ってか迂遠な表現を使っていますが、
ララの言う事は素晴らしいのに、シスター・ラナがそんなに痩せているのは何故?
と言う事でしょう。
シスター・ラナが
『さっきも話したけど、ララ様が来たのが数日前で、
それまでは屋根が落ちそうな孤児院、床が抜けた教会で過ごしていたの。
ララ様が来て、教会と孤児院を立て直す事、それまでの仮住まいとして、
二階建ての建物を一瞬で作ってくれたわ。今でも信じられなくて、
時々仮住まいの孤児院を撫でている位よ。
だからね、今は食事も改善されたから、2、3ヵ月もすれば、元の体に
戻れるわ。本当はそれから来ても良かったんだけど、
ララ様に現状何処の孤児院も同じ、死人が出ている所も有ると言うと、
一刻も猶予はないと言って、連れてこられたの。心配かけてごめんね。
そうだ、ララ様、クスを私の孤児院に連れて行けないかしら、
見てもらうのが一番だと思うけど。』
「うん、そうだね。一緒に行ってみようか?」
シスター・クスが驚いた様に、
『お待ちください、シスター・ラナがお勤めしている所はペンタの街
ですよね、どんなに急いでも片道一週間はかかります。
そんなに長くここを開ける事は出来ないのですが・・・、』
『大丈夫よ、私も午前中はペンタの街の協会でお祈りしていたんだから、
夕方には帰れるわ。』
そう言ってララを見ます。
「そうだね、見てもらった方がいいかもね。」
二人をララの部屋玉の中に入れて、キリにお茶を出してもらいます。
シスター・ラナが事情を知って入る為、すんなりと話が進みます。
ララは二人を入れた後、テレポートでペンタの街、孤児院へ飛びます。
次話:シスター・クスとペンタの街




