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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
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918話 奥様とメリカ

918話 奥様とメリカ


「ルチア、夜も遅く成ると明日に響くから、そろそろ打ち上げね。」

『承知致しました。』

ルチアはまだ元気ですね。


『やろーども!!

 今日はここまで、続きは明日だーーー!』


彼方此方から『『おーー!!』』

と言う歓声が聞こえますが、生き残りはあまりいない様です。


ララも部屋に戻って寝ようとしましたが、

部屋には奥様とメリカが居るのを思い出しました。


メリカに念話でそろそろ切り上げる様に連絡し、

先にルビちゃんとご主人を本邸に送る事にします。


ルビちゃんを探すと、ベリアンと一緒にパニエルに抱かれて寝ています。

ルビちゃんをキリに預けて、ご主人様の所に行くと、ウオルトとオハマ

三人で盛り上がっています。お酒も結構入って居ますね。


「ご主人様、宴もたけなわでは御座いますが、夜も更けて参りました。

 本日はこれにて、お開きにさせて頂きたいと思います。」


ウオルトとオハマに向って、

「あんたら、明日決勝戦だよ、レミを舐めてかかると痛い目に遭うよ。」

二人が、いけねぇ と言う様に頭を掻いて、ご主人に礼をして、退散します。


『ララすまん、ちょっと興が乗り過ぎた。』

ご主人様も、照れくさそうに、言います。


「今日は前夜祭、明日が本番に成りますので、

 今夜はこれで、お屋敷にお送りいたします。」

『ん、頼む。』


二人をお屋敷に送って、戻ると、奥様とメリカが、屋敷から出て来ました。

メリカは下を向いて、奥さまは、扇で目元を隠しています。

二人とも、お目目真っ赤ですね、きっと。


「では、奥様、お屋敷にお送りいたします。」

ララの部屋玉に入れて、お屋敷の奥様にお部屋に飛ぶと、パトラが待って居ます。

奥様を出して、一礼して、里に戻り、メリカとお話をする事にします。


兵どもが夢の後を体現する様な、宴の後の二人掛けのテーブルに付いて、

シールドを掛けます。


「メリカ、奥様と何を話したの、いや、貴方の中身は奥様の身内だと思うけど、

 誰なのかな?ああ、此処は大丈夫、あの爺さんにも気取られないよ。」


メリカが首を振ります。

「そうか、聞かれる事では無くて、約定で縛られているのね。

 じゃあ、質問するから、首を振るか頷くかで答えて。」


そう言うと、

「貴方は、奥様の身内だったのね。」

メリカが、首を縦に振ります。


この前は旦那様の奥様かおばあちゃんだったけど、今度は奥様の身内なのね。

「奥さんのおかあさんかおばあちゃん?」

首を横に振ります。


「じゃあ、御姉妹?」

首を横に振ります。


その様な質問を繰り返して、血縁は従兄妹、年上のお姉さんで、

幼いころから仲が良く、奥様を可愛がっていたと言う事ね。


「私からは何も言う事は無いわ、きっと時々やって来るから、

 お相手してあげてね。私の部屋で、キリに言えば部屋玉の中に入れてくれるから、

 そこでお話すれば、神界にも見聞きできないからね。」


そう言い含めて、里の屋敷に返します。


「里のじいさん、きっとわかってやって居るね。まぁ、サービスと言う事で、

 受け取っておきましょう。」

そう言うと、キリを呼んで、寝る事にします。


「おやすみなさい。」


次話:決勝戦

☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 登場者の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,


メリカ:里の屋敷のメイド。

    奥様と仲が良かった従兄妹、幼くして死別した魂が宿っている。


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