914話 ちゅー太Bのお宿
ちゅー太Bのお宿
さてさて、仕事の算段も付いてきた所で、
『もう、23:00か、取りあえず、私の拠点を確保しなければ成らないが、
都合のよさそうな所は無いかな?』
ちゅー太Bが困ったように聞くと、チュータDママが
『此処でいいじゃない。ララ様から、ルルハウス頂いていると
思うけど、それで良くない?』
ちゅー太Bが困ったように、
『いや、夫婦者と一つ屋根の下は、居づらいから、
何処か違う所で探すよ。』
『それなら、私の所にいらっしゃい。』
ちゅー子DAが迷いもなく言った事に驚きながら、
『それも差しさわりが有りますね。』
『あら、私は大丈夫よ、きっとあなたが考えている様な感じじゃないわよ。』
ちゅー子DAが思わせぶりに言います。
『私の所は、ここの主人、ジョージ友人で、志を同じくした人。
ララ様も知ってるわ、パン屋のハリスン、奥さんのパティとお店を遣ってる。
そこの屋根裏で、ネズミ退治を条件に住んでいるわ。』
『分かった、そこへ行こう。』
パン屋の種裏に到着すると、
『ここの主人に挨拶したいのだが、時間的には問題無いか?』
『大丈夫、この時間なら店を閉めた頃合いだから。』
『じゃあ、頼む。』
『はい。』
そう言うと、ハリスンの気配を探り、二人で厨房の物陰に〔テレポート〕、
(『ご主人、御願いが有るのですが、今、宜しいでしょうか?』)
ちゅー子DAが念話でハリスンに問いかけます。
【おっ、ちゅー子か、何だ?】
姿が見えないので、物陰にでも居ると思い。返事をします。
返事を貰ったので、二匹一緒にハリスンの前に出ます。
ハリスンはMOUSE達の個体差、名前が判りませんので、
小さいのがちゅー子大きいのがちゅー太に成る様です。
【おっ、すこし大きいな、番いか?】
(『そんなんじゃありません。』)
予期せぬ返答にちゅー子DAが狼狽えています。
『ちゅー太Bと申します。この度ララ様より此方に派遣され、
ちゅー子DAの仕事を手伝う事に成りました。
付きましては、こちらの屋根裏に住まわせては頂けないでしょうか?
許可して頂けましたら、動物、人に限らずこの家を害する者から、
お守り致します事を、お約束いたします。』
【何?、動物、人に限らずって、強盗もやっつけるってか?】
『はい、私はララ様より特別な訓練を行っております。普通の人族ならば、
特に問題無く排除出来ます。眠らせる事も、殺す事も可能です。』
それを聞いたちゅー子DA、驚いた様にちゅー太Bを見ます。
(『大丈夫、無益な殺生はしないよ、近い内に君にも教えるよ。』)
それを聞いたちゅー子DA、少し安心したようですが。
(『でも訓練って、大変そうね、やだわ。』)
そんな事を思ってか、ぶるっと震えます。
【すげえな、お前達、まぁ、あのララさんの眷属ってことだから
さもありなんって所か。俺も彼女には世話になったから、
お前達なら、屋根裏の間借り位、断らなくても、良いぞ。】
『ララ様に世話に成ったって?』
ちゅー太Dが興味深そうに聞いて来ます。
【ああ、家のパン、やわらかくて旨いだろ、
酵母とか言ったっけ、その使い方を教えてくれたのさ、
今度ちゅー子に食べさせて、いや、これもって行きな。】
そう言うと、パンの欠片を、渡してくれました。
一口齧ったちゅーたBが
『なる程ね、これはララ様のお屋敷のパンと同じですね。』
【そうだろうな、けどよ、此処じゃあ、俺のとこだけだ、
でな、何回か、夜中に忍び込んだ奴が居るんだ。
もし、そいつらを追い払ってくれれば、大助かりだな。】
『承知致しました、おまかせください。』
そうは言いましたが、夜中の勤務も有るので、毎晩はここに戻れません。
ララに相談すると、小さなハムスターアンドロイドを送ってくれました。
次話:魔国のハムスターアンドロイド
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 人物と設備の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
魔国
パン屋のハリスンとパティ:
ジョージの友達ちゅー子DAとちゅー太Bが屋根裏に住む。
ルルハウス:
ララが猫のルルに用意した猫のハウス型簡易眷属逗留設備




