899話 武闘会午後の部開始-ウオルトとオハマ対クロウ丸
武闘会午後の部開始-ウオルトとオハマ&クロウ丸
『分身分離技を生み出したクロウ丸対ウオルト&オハマの対決だーー!』
『ヴラド子爵様の騎士団長と副団長は大烏に勝てるのかー!』
『Ready Go!』
合図と同時にクロウ丸が羽を広げ、羽一つ一つが分身体と成ります。
今回クロウ丸は数で押し切る戦術ほ様です。
対して、ウオルトとオハマ抜刀し捧げ持ちますと、二人が重なり、合体です。
合体したと思ったとたん、二人に分離、更に分離、分離、8人に成ります。
「おおぉ!合体した状態が8人ですか。すごいです。
しかも能力はさほど落ちて居ません。」
「なる程、合体すると能力は倍以上に成りますから、そこから分離すれば
合体する前の二人が分離するより有効ですね。
しかし、8人にまで分離出来るんですね。驚きました。」
クロウ丸も驚いています。でも、攻撃の先手はクロウ丸です。
右の翼を一振りすると半分が襲い掛かります。
8人のウオルトとオハマは横並びでクロウ丸分離体と打ち合い。
と言っても、剣士と鴉では勝負に成りません。
鴉が徐々に数を減らします。
そこで、クロウ丸が左の翼を振ると、残り半分が背後から襲い掛かります。
ウオルトとオハマの分身体は一瞬で背中合わせに成り、
二人一組で前後の鴉に対応します。鴉も魔法を交えて、剣戟に対応。
ウオルトとオハマの分身体は腕に付けたシールドとレイピアで
カラスのライトアロ―に対応して行きますが、流石に攻撃の手数が減ります。
と、八人がぱっと消えて、ばらばらの位置に出現、
数体のカラスに剣を一振りするとすぐに〔テレポート〕、
鴉たちがパラパラと落ちます。
違う所でまた剣を一振りして〔テレポート〕
ヒット&アウェイに切り替えましたね。
クロウ丸は指示を出している者居ると判断して、司令塔を探しますが、
分りません。全員が意識を共有しているのですから、司令塔は居ません。
あえて言うなら、司令塔は、めまぐるしく交代しているのです。
この判断ミスがクロウ丸を窮地に追いやります。
その事に気が付いた時には鴉の分身体は1/3程に成っており、
起死回生の策がない限り、負けは確実です。
クロウ丸自身が上空に静止、その周りを高速で分身体が飛び回わらせます。
目をつぶり、気配でも探って居るのでしょうか。
高速で飛んでいたカラスの分身体が、一点に向けてライトアローを発射、
ウオルトとオハマの分身体一体が光に包まれ、消えます。
出現場所を読まれたと判断した分身体全員が一瞬で、合体。
密度の高い〔バリアー〕の盾をクロウ丸に叩きつけます。
不意を突かれたクロウ丸が場外に飛ばされノックアウト。
気絶したようです。鳥ですから、衝撃には弱いです。
ウオルトとオマハが闘技場に降りて、合体を解きます。
『勝者ウオルトとオハマぁー!
ヴラド子爵様の騎士団の勝ちぃー!!』
『野郎共、見たかぁー、分身や合体は応用が半端なぁいーー。
これからは工夫が出来ない物は早期退場が必然となるぅー!
心せよぉーー!!』
『次は、レミ~~、やれるかぁ。・・・』
レミが手を振りますが、ガクッと片膝を付きます。
ルチアがあざといなぁと思いましたが、
『あれま、じゃあ、2時間休憩―¥!!。
試合開始は18時ぃ。酒飲んで遅れるなよ~~。』
観客が三々五々屋台の方に散って行きます。
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