892話 レトアとブコイ対マニ
レトアとブコイ対マニ
『サクサク行くぞーー!!
レトアとブコイ対マニだぁ!ポウの居ないマニが何処まで頑張れるか。
全員刮目せよーー!!』
マニが少しムッとしてルチアを睨みます。
ポウの居ないマニが と言われたのが気に入らなかった様です。
ルチアはいちいちかまって居られないとでも言う様に完全無視ですね。
『両者、戦闘開始ぃーー!!!』
マニが二分割、2対1なので分が悪いと思った様です。
分れた途端、それぞれがレトアとブコイに向って魔法を放ちます。
〔ファイヤーアロー〕〔ファイヤーランス〕
〔ライトアロー〕〔ライトジャベリン〕
しかし、レトアとブコイが手を前に伸ばして手の平を向けると、
まるで穴に落としたかの様に吸い込まれます。
それを見たマニが、一瞬驚いた顔をしましたが、すぐにムキに成ったように
縦続きに魔法を打ち出します。全て吸い込まれたのを見ると。
眉を吊り上げ、詠唱を始めます。
レトアとブコイが顔を見合わせて頷きあうと、
右足を後ろに引き、腰を落として踏ん張り、詠唱しました。
すると二人の伸ばした手の前にバリアー?
いやパラボラ型の直径2m程のバリアーの様なものが展開します。
〔アクアビームサンダー〕!!
マニが高密度の水に雷魔法で高電圧をまとわせて発射しました。
「あ。やば。」
ララが防御バリアーを発動するより早く、二人に攻撃が届きます。
”バリバリバリ!”パラボラバリアーに当たった瞬間大きな音がしましたが、
それだけ、残さず吸収された様です。
マニがそれを見て、膝を付いて、トテンとあ倒れます。
ララがそれを見て〔テレポート〕〔ハイヒール〕
ララがマニを抱くと、マニがぽつりと
『負けちった。』
「頑張ったね、でも負けてないよ。攻撃したのはマニだけだから、
今度は勝てるよ、ほら、みんな大歓声だよ。」
それを聞いて、にこりと笑うと、コトンと意識を手放しました。
魔力枯渇です。まあ、休んで居れば治るでしょう。
「後から精魔石の粉でも掛ければ元気に成るでしょう。」
『マニ戦闘不能によりレトアとブコイのしょうり~~~!!』
『マニーー!あんな魔法見た事ない~~!!。
ちっちゃいのに凄げ~~!!。
野郎共!!盛大な拍手で送れ~~~!!!』
聞こえているのか、マニが少し微笑んでいる様です。
ララが医療班にマニを預けて席に戻ると、
ご主人様が、ララに聞いて来ます。
『ララ、さっきの対戦だが、小さな女の子が、凄い魔法を使ったのは
分かったが、相手の二人組は、どうして無事だったんだ?
バリアーで弾いた様には見えなかったが。』
「流石ご主人様です、そこまで見て頂けるとは、有難いです。
あれは攻撃を受けた二人が、魔法を全て吸収してしまったんです。
あの二人は、魔力の蓄積量がとんでもなく多いので、
吸収する事が出来るんです。」
ご主人様が驚いています。
「しかし、攻撃された魔法を吸収するなんて、聞いた事も無いぞ・・・。」
理解の外だとでも言う様に、語尾がもにょもにょに成ってしまいました。
(「でも、ずいぶん訓練しましたね。ご主人様が言う様に、
普通、打ち込まれた魔法を吸収する事なんて出来ませんよね。」)
ララが満足そうに頷いています。
次話:タマ&アンナ対シオン&クキ
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 魔法の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
〔ライトジャベリン〕
ライトアローの密度を高め、短い槍の様にして打ち出す魔法
〔アクアビームサンダー〕
水を圧縮して高速で打ち出すときに雷魔法で、高電圧をかけている。
貫通力と雷での内部破壊を狙った攻撃。




