873話 悪魔の国-----時間が少し遡ります。
悪魔の国-----時間が少し遡ります。
少し時間を遡ります、丁度キリがギルドに兎の粉を売っている頃でしょうか。
魔国ではゲネメがアザゼル公爵にお叱りを受けております。
当然、ゲネメは納得できるはずもなく、怒りにワナワナ振るえております。
しかし、相手が相手だけに癇癪を起す訳にも行かず、
【それでは今ある魔力で魔物4万匹程度は出せます、
それでやってみましょう。】
と言う事に成りまして、研究所に向いました。
研究所は転移魔方陣により、アザゼル公爵邸のゲネメの部屋から、
魔国の外れ、山脈の中のに有るゲネメの研究所に飛びます。
研究所に入ると、ぶつぶつ独り言を言って居ます。
【私とて何でも出来る訳ではない。なぜ分からんのかな。
予定が遅れているのは公爵の手下がへまをしたせいで
素材が集まらんからじゃぞ
そろそろ、乗り換えた方が良いかな、
マスティマ公爵からも誘いが来ておったしな。
ふむ、まぁ、今はこれに取り掛かるとするか。ベタ、魔力はどれ位溜まった?】
黒い、べっとりした粘菌かアメーバの様なものがもぞもぞと動き、
にゅるりと手を出し、機械を操作すると、直径30㎝程の5本ある透明な柱の一本が
光りだし下から蛍光色のオレンジ色の液体が上がってきました。
【10%位か、それでも小物を多くすれば4万匹位は何とかなりそうか、
あそこは戦力と呼べる物も居ないから、小娘一匹捕まえるくらい
何とか成るじゃろう。】
そう言うと、スタンビートを起こす為のダンジョンの選定、魔物の種類、
魔力の注入とテキパキと操作を続けて行きます。
【ベタ、お前はダンジョンの一つに控えて、魔物どもが捕まえた小娘を
此処まで連れてこい。騒ぐなら眠らせろ。最悪手足なくても良い、
だが、絶対殺すなよ。】
恐ろしい事を言って居ます。
次話:ベタが見た物




