貴族猫ルル
貴族猫ルル------------
屋敷に着くと、全員そろってお出迎えです。
この間に全員にマーキングしておきます。
奥様も心配して、出てきてます。ルビちゃんを抱いて泣いてます。
ルビちゃんは私を指さして、一生懸命何か言ってます。
私は御者のおじさんの荷物降ろしを手伝います。この体、力あるわぁ。
御者のおじさんがびっくりしています。
ご主人様に呼ばれ、奥様の所へ、メイドとして、完璧なご挨拶を致しました。
メイド長と呼ばれる方に付いて来るように言われ、
自分の部屋と言う所に連れて行かれました。鉄板の新米メイド用屋根裏部屋。
その後、仕事の内容をあれこれ教えられ、担当を決められそうになった時に、
メイド長と一緒にご主人様に呼ばれました。
私は客人扱いと聞いた時のメイド長の顔は中々の物でした。
メイドで無いのならメイド服は止めて欲し、との反撃。
メイド服の方が、ルビちゃん。。。もとい、ルビ様と一緒に居ても違和感が無い。
お世話もさせて頂く。とお答えいたしました。
メイド長は半分位納得、後の半分は不満。と言う顔です。
ルビ様のお世話をさせて頂く為に、今
まで、皆さんがやられていた事を学びたいと申上げましたら。
メイド長が目を細めてとても良い|(怖い)顔でわかりました。
それでは、すぐに、と言い出したので、
明日の朝からと答えると、更に良い|(怖~い)顔でわかりました。
今日、あなたは何をするのですかと言われたので、
探し物を、と答えておきました。
明日が楽しみ(怖~い)です。マーカー付けとこ。
屋根裏に置いた荷物(ダミーです)を持って、指定された部屋に置きます。
かなりいい部屋ですよ、使用人の部屋では無いですよ、客間みたいです。
ご主人様に「この近くに、私の眷属と成る猫を送ったとの連絡が有りましたので、
迎えに行きたいのですが宜しいでしょうか」
『もう直ぐお昼だが、食事をしてから出かけてはどうかな?』
お父さん、・・・いや、ご主人様、優しいです。でも、ここは断る所でしょう。
「お気遣い有難うございます。
でも、待っていると思いますので、先に行きたいと思います。」
『そうか、知らない街だと思うが、大丈夫かい』
「はい、念話で私と繋がっておりますので、迷う事は有りません。」
『それなら大丈夫かな?、では気をつけて行っておいで。」
「有難うございます。では行ってまいります。」
一礼をして街のルルの所に向います。
屋敷を出て、酒場の前にテレポート。
やっぱり便利だこれ。「るる~」「ルル~居る~?」
『私を呼ぶのはだあれ~』みたいな感じでのっそり出てきました。
「ルル、私、判る?」
『????ルビ・・・あんたどうしたの。』
「不便だから依り代作ってもらったんだ。」
『ずいぶん可愛いわねぇ』
「ありがとね、これは私の本来の姿に近いんだよ。」
「ところで、ルル、お仕事、あんた貴族に成ってくれない。」
『藪から棒に飛んでも無い事言い出すわね。何処のお貴族様よぉ』
「ここの領主の娘、ルビ・ヴラドのお目付け役」
「実話ね、私は、その子が成長した物なの、少し先の話なんだけど、
とんでもない事が起きそうなのよ」
「その子の命が危ないの。その子が死ぬと未来の私も消えるわ、
それで、あわてて、精神だけこっちに飛んできていたの。」
「だけど、実態が無いと、何も出来ないので、何とかこの体、魔道人形、
まぁ、魔法の人形ね、これを作ってもらって、なかに入ったの」
「だけどね、私も一日中ルビちゃんの傍にいるわけにもいかないから、
交代要員として、貴方に頼みたいの」
「お願い、手伝って。」
『ほんと、貴方って飛んでモナコね』
「飛んでモナコ???。トンデモナコ。とんでもないこ?
あははは、いいねそれ、ほんと貴方大好きよ。」
『もしかして、そこは馬鹿爺の家じゃないの』
「ばかじじい??ばかジジ!きゃははは。もう最高。ルル抱きしめていい?」
お腹換えて笑ってます。
町行く人は怪訝な顔してみてますが、本人気づいていません。
「お願い、ルル、助けて。攻撃魔法を教えるから、ね。」
『攻撃魔法?あら、楽しそうねそれ、』
一瞬やばいかな、と思ったけど、
ルルなら大丈夫だと根拠もなく信用する事にしました。
だて、ルル可愛いから嫌な事が有ったら
脅かして逃げるくらいは良いでしょ、ぅ?
「この辺に空き地ある」
『付いてきて』
手ごろな空き地に到着しました。
「あそこに板が有るからあれを的にしましょう。」
「みてて、〔ライトアロー〕」
光の矢が指先から出て、板の吸い込まれました。
近寄って板を見ると小指の先ほどの小さな丸い穴が空いてます。
「攻撃魔法だから、当たり所が悪ければ死にますね。」
ルルが何か考えています。
「ルルの魔力がどれくらいあるか、判らないから、
どれ位の威力が出るかは、何とも言えないわね。」
「魔力を抑えればしっぽの先がはげるぐらいで、行けるんじゃない。」
「取りあえずやってみようか、口がいいかも、
口の大きさで威力が合わるんじゃないかな」
「ルル、手を持って、光の矢をイメージして、〔ライトアロー〕、ふっ!」
出ました、が、小さな光が板に当たって散りました。
「いいわ、そんな感じ、今度は一人で出してみて。」
『〔ライトアロー〕、ふっ!』
出ましたけど、板に当たる前に消えました。
「最初はそんなものよ。でも、練習すれば、使える様になるわ。」
「これは光の魔法だから、魔物や闇関係には威力がでるわ。」
「じじぃの撃退にはいいわね。いっしし。」
「魔力の込め方とか、色々変えて練習するといいわね。」
『でも何で、私が魔法を使えるのかしら?』
「それは、私の使い魔に成ったからよ。
私は力が有るから、眷属たちも強く成れるの。」
『じゃあ、鬱陶しいジジィも魔法使えるの?』
「ぶっ。鬱陶しいジジィ・・・。
ルルが言うと何でこんなにおかしいの。」
『実感がこもって居るからよ!』
「ぶっ、ふっふっふっ。」こらえました。
「あいつは魔法使えないよ。
ルビちゃんも幼いから魔法使えないんじゃないかな。」
「じゃあ、行きましょうか」
『何か、憂鬱な気分だけど、まぁ、約束だし、
ん?憂鬱なのはジジィの存在だけだわ。』
『あいつを何とかすれば良いのね。』
「ルルさん悪い顔していますけど。」
『あら、そんな事無いわよ。』
「あっ、言い忘れてた、あの家では、ルビちゃんはルビ様、
私はララと言う事に成っているからね。」
「それから、可愛い首輪を作ってあげる、何色が好き?」
『え~~首輪ぁ・・いやだよぉ・・・』
「貴族で有る事の証明だから、大切なものだし、
変な奴は、一匹を除いて寄ってこないよ。」
「世界樹の枝が有れば・・・ん?マジックBOXに有った。
世界樹の精霊にもらったイヤリングこれの片方を首輪に付ければいいね」
「首輪の方はチタンを芯に世界樹の葉を魔力を込めて柔らかく滑らかに丈夫に
成るように綺麗に巻いて作れば。出来た。」
「ルル出来たよ、これにヴラド家の家紋を入れれば出来上がりっと。」
『いいじゃない、これなら付けてあげるわょ』
「世界樹を付けたので、魔力の幅が伸びたかもしれないな。
ルル、もう一回ライトアロー打ってみて、」
『良いわよ。〔ライトアロー〕、ふっ!』
「やっぱり、上がってる。少し焦げてる」
「扱いに気を付けてね。色々試して威力の確認をした方がいいね」
「さて、行きましょうか。」
次話:ルルのご挨拶
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., あとがき ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
「」の形により、誰が発した言葉なのかをある程度特定出来る様にしました。
下記をご参考にしてください。
-------------------記------------------------
「」 :ルビ・ヴラド(ララ)
《》 :AIマスター
『』 :眷属/身内/アンドロイド
<> :人
() :心の声/念話・
〖〗 :人外/妖精/神
【】 :魔物/悪魔
〔〕 :魔法発動呪文