837話 甲冑騎士の交代-----修練場
甲冑騎士の交代--------修練場
『まだ、二つに成る所までです。
でもララ様、僕もティアの力を借りれば三つに成れますか?』
そこでぼろぼろの甲冑騎士が、口をはさみます。
(『ララ様、勘弁してください。私はアセナ二体を相手にするだけで、
この状態です、これ以上は耐えられません。私を返してください。』)
ゼーロの様子を見たララが、
「そりゃそうだね。交代しようか。」
(『修理しないといけませんので、交代させてください。』)
「修理かぁ」
(『はい、私の修理はペーシュ様かレミ様で無いと出来ません、
是非交代でお願い致します。』)
どうも交代にこだわる様です。
ゼーロがレミの眷属で有る事を思い出したララは、
「お前、アセナの訓練の相手、嫌に成ったね。
主人のレミと性格が似ているね。」
そう言われたゼーロがギクリとした動作、剣を前に持って、捧げつつの動作
「何だろうねぇ、そのあざとい様な動作。ピリピリと来るんだけど。」
ゼーロが固まっています。
レミに念話で連絡して、ゼーロが交代を要求している旨も伝えると。
(『はぁ、ララ様、ゼーロ戻してください。交代要員を見繕って送ります。』)
(「そうだ、三体貸して、狼達が増えたんだ。」)
(『増えた?ふえた??。判りました。送ります。』)
増えたという意味が解らなかった様ですが、増員交代の件はOKでした。
「ゼーロ、レミと話は付いたから、戻っていいよ。」
『有難うございます。』
ゼーロがポッと消えます。テレポートで飛びましたね。
代わり三体の縫い包みが来ます。
「何だい、あんたら?」
一体は甲冑騎士ですが、二体は狼の縫い包みです。
(『我ら3名、ゼーロの代わりに派遣されました。
お名前を頂戴したく思います。』)
「甲冑騎士は分るけど、狼達は?」
(『我らは、ララ様からレミ様に賜った、
狼の毛の一部より作られました、』)
次話:縫い包みの狼




