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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
830/967

830話 レミと狼の尻尾--------修練場

レミと狼の尻尾-------修練場


ララさん、とことこ歩いて、レミの部屋からレミの所へ行きます。

何やら作りかけの縫い包みの山です。いや山脈の様です。

近くにペーシュの気配もありませんね。大きな声でレミを呼んでみます。


「レミー!どこぉーー。」

ポンと作りかけの縫い包みをかかえて、レミが現れます。

驚いた様子ですけど、これ、絶対こいつの演出ですよね。ララさんジト目。


「ま、良いわ。レミ、闇魔法の使える甲冑騎士一体貸して。

 ウォルト達の訓練を手伝ってほしいんだよ。」


レミがちょっと困った仕草をして、縫い包み山脈に向って叫んで居ます。

誰か、(まぁペーシュでしょね。)呼んでいます。


ポン音でもするようにペーシュが現れます。髪の毛の中からモクが

ぴょこんと顔を出しました。


「モク、そんな所でどうしたの。」

〚ララ、私の髪の中よ。そんな所は無いでしょう、そんなところは。〛

パーシュの不興をかって仕舞った様です。


(ありゃ、そりゃそうか、女の子の髪をそんな所と言ってしまったら、

 私でも怒るよ。早い所謝らなくっちゃ)


「ごめん、考えなしに使ってしまいました。ほんと、ごめん。」

ペーシュも悪気無く、使ってしまったと理解してくれました。


〚いいわ、所で、何?〛

ご機嫌、完全には戻らないみたいです。

ララさん、交渉には不利と判断、何かいい物・・・。

ああ、あれが有ったと思い出します。


「うん、影魔法を使える甲冑騎士、一体貸して欲しいんだ

 ウォルト達の訓練の手伝いして欲しいんだよ。」


〚ん?〛

ペーシュがこの前の模擬試合トーナメントで、人族がMOUSEの闇魔法に

手も足も出なかった事を思い出します。


〚ララ、影魔法の対策出来たの?そのための訓練でしょ?〛

「うん、そうだけど、前回のトーナメントで、

 影魔法にいいようにやられた者達は皆対策考えているよね。」


〚ねぇ、こっちの有効な戦術を破る手伝いをするのはおかしくない?

 そんな、敵に塩を送るような真似をする程、うちは余裕ないよ。〛


「考え方変えようよ、相手の戦術を探る為にも、

 手伝っても損はないんじゃない?」

ペーシュが腕を組んで考えています。


ララはここでもう一押し、と判断して、

「ただとは言わないわ、此処に二頭分の狼、血狼族の尻尾の毛が有ります。

 まだ魔力も残って居ますから、縫い包みに使うと面白いと思いますよ。」


先ほど貰った剣とリキの尻尾の毛を見せます。

ペーシュが目を丸くして、レミが食い入るように見ています。

「これは、普通、欲しくてももらえる物じゃあないわよね。」


どうしたのこれ、とでも言う様にペーシュが聞きます。

レミもペーシュのスカートを引っ張って、狼の毛を指さしています。

「ちょっとした事を教えた報酬に貰ったんだ。」


〚いいわ、それを貰うと面白い事が出来そうだし、レミもこんなだしね。〛

ペーシュがレミを指さして、OKを出します。


レミがすぐに甲冑騎士一体を呼び出したので、ペーシュに尻尾の毛を渡します。

レミがペーシュの手を引き、早く行こうとせかします。

「レミ、この子の名前は?」


「無いから勝手に付けろって?、ひどいねあいつ、

 自分の眷属もっと大事にしなさいよ。」


モクからの念話です。

(『ララ様、慌しくて、申し得開けありません。

  ちょうど、縫い包みの部隊編成を相談していた所だったので、助かりました。』)


「おやおや、どうやら、狼部隊が増えるのかな?」

残された甲冑騎士を見て、

「名前は無いのね、」


(『有りません、ララ様お願い致します。』)

「アセナの所の甲冑騎士がゼーロだから、君はワンでいいね。」

と、甲冑騎士がふわりと光ると、少し大きく、色も白っぽくなりました。


(『やはり、ララ様に名前を頂くと、力がみなぎり、二段階位上がる様です。

  有難うございます。』)


「君は闇魔法で、人族の修練者に稽古をつけて欲しい。」

(『かしこまりました。精一杯頑張ります。』)


ララはワンを連れて、ウォルトの所に向います。


次話:今日のお昼はラーメン

☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 登場者の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,


甲冑騎士ワン:ウォルト達に訓練を付ける為、レミより借り出した。

       ララが名をつける事で、少し大きく、色も白っぽく、

       二段階ほどレベルが上がりました。

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