828話 同族合体-------修練場
同族合体------修練場
ケン達の修練場に着くと、4人がテーブルを囲んで、無言で向い合って居ます。
「あんたら、いい知恵浮かんだかい?」
ケンが、
『ララ様、俺たち、あれから、夜も寝ないで考えましたが、何をどう考えても、
ボスに怒られる未来しか想像出来ません。ララ様、御願いです。
しっぽの毛半分差し上げても良いですから、助けて下さい。』
「ふ~ん、しっぽの毛、全部じゃないんだ」
『尻尾の毛全部差し上げたら、狼じゃなくなります。勘弁してください。』
リキもララの雰囲気から、何か妙案が有るようだと感付きましたね。
「ララ様、俺の毛も差し上げます、お願いします。」
ララさん、レミに狼人形作らせて、それに二人の尻尾の毛を付けると面白そう、
何て、考えています。
「いいねぇ。それ、受けた。」
ケンとリキが立ち上がって、
「お願いします。教えて下さい。」
ブルラアとグリラアは、椅子に座ったまま何がどうなっているのか、
自分たちはどうなるのか、不安そうな顔をして居ます。
「そんな顔しなくても大丈夫だよ、ケンとリキと同じように、あんたらの事も
考えているから、私の話を聞いていてね。」
ララはそう言うと、4人に向って話し出します。
「これから話す対応は、今回の修練中に終わらし、
実績を残すには時間が足りないかもしれない。
でも、将来を見越した方法として、評価はされるはずです。」
四人の目が光り、食い入るように、
一文一句聞き漏らさない様にとの気迫がにじみ出ています。
「良いですか、今回、オーガと狼の合体は諦めます。
但し、可能性としての情報は記録したいので、
方法と結果、問題点、可能性はまとめておいてください。」
オーガと狼の合体は諦めるとの話を聞いて、全員がっくりと肩を落としました。
「良いですか、ここからが、本番、異種族合体では無く、
同族合体の可能性を探ります。」
同族合体との話を聞いて、みんな ぽかん としています。
理解が追い付いていない様ですね。
「つまり、ケンとリキ、ブルラアとグリラアが合体するのです。」
理解が追い付いた途端、向き合うと、嫌そうな顔をしました。
全ての記憶の共有が行われると思った様です。それは嫌がりますね。
誰にでも人に知られたくない秘密は有るもんです。
「あんた等の考えている事は分らないではないけど、異種合体した時、
お互いの記憶はどうなった?すべてが共有された?」
それを聞いて少し安心したそぶりを見せます。
「同族合体については情報が無いから、
どの様に成るか分からない所が有るけど、
取りあえず、合体してみなよ。出来るはずだよ。」
『ララ様、合体して、分離できないと言う事は無いですか?』
ララさん、そこは考えなかったと思いましたが、
感付かれてはまずいと思い、言いつくろいます。
次話:ケンとリキの同族合体




