824話 緊急災害救助マニュアル-------修練場
緊急災害救助マニュアル-------修練場
「はい、どんな事かな?」
『眷属以外でも、ララ様がお許しに成った者達はララ様の作った
救急病院の治療を受けれるそうですが、
私たちがその者をララ様に推薦して認められれば良いのですか?』
「うん、現状その認識で良いけど、沢山は受けれないから、
後から何人受けられるか調べてディックに連絡しておくよ。
でも、緊急時は一般の方は避難すべきだから、その辺も踏まえて人選してね。」
プリムが首を傾げながら質問を返します。
『う~ん、それじゃぁ、事前に転送する人を決めずに、現場で怪我した人を、
送る様には出来ないですか?』
「そうなると、収容人数に上限が有るから、早い順に成るね。
現場でトリアージ出来る者が必要だね。」
「そう言えば、こういう時の対応が出来て居なかったね。
ディック、後で、グラディス達と相談して、緊急災害救助マニュアルみたいの
作ってみて、マウ元帥に助言を求めると、良い考えを貰えると思う。」
ディックが、いや~な顔をしています。
「ディック、全部あんたがやる必要は無よ、部下を上手に使いなさい。
グラディスたちにも私の指示と言って、使いまわしていいよ」
「どうせなら、緊急時の住民の避難、誘導、救助、警備隊や救護班がどの様に
動くか、総合的な判断が必要だし、それに備える事も、大切。」
「今度、里で各種族の代表を集めて、その辺を協議出来る様に、
レジュメ作って置いて。マウ元帥を引き込めばやりやすいと思う。」
ディックが話がだんだんでかく成るので、慌てています。
「会議の時期は、今回の修練が終って、此処から出た時がいいかな。
その時までに作って置いてちょうだい。」
ララさんお得意の一人で話して一人で結論を出しました。
ディックは仲間を探す様に、目を動かしますが、皆視線を合わせようとしません。
ガックリと首を落とします。
「ほらほら、そんなに悲観しないの。ドドル、あんた手伝って上げてね。」
とつぜん指定されたドドルが飛び上がって居ます。
(「AIマスターに丸投げして見なさい。」)
ララがドドルに念話を送ると、安心したようです。元気に成って、
『ララ様、承知致しました。頑張ります。』
(調子いいね、こいつ。
AIマスターに手伝ってもらえるとわかった途端元気に成ったよ。)
「じゃあ、宜しくね。」
そう言って、教壇から下りて、席に戻ります。
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