818話 血狼と血鬼の訓練------修練場
血狼と血鬼の訓練--------修練場
グリラアが、
『私達4人は、血狼と血鬼の合体です。』
「え?、何でそうなるの?」
『こっちに、修練場に来た時に、ダリンさんが人化を解いた姿に、
見惚れて、憧れて、あの姿に近づければ、絶対強く成れる、
と言う事から、血狼に声をかけてみた所、
ケンさんとリキさんが同じ意見を持って居る事が解りまして、
意気投合、訓練している所です。合体は出来たのですが、
血狼の速さと血鬼のパワーを引き出す所が難しいです。
それから、一つの体に二つの意識が入りますので、
主導権は何方が持つのかとか、
問題が多くて、上手く言って居ません。』
「ふ~ん、問題点は二つだね。」
グリラアが頷きます。
「無理に主導権を固定しなくても良いんじゃない。」
四人が首を傾げています。
「血狼と血鬼、得意な所を受け持てばいいんだよ。
武器を持った接近戦は血鬼、その時の警戒、防御は血狼。」
「遠距離、索敵、移動は血狼。その時の警戒、防御は血鬼。だね。
これを短時間で切り替える事が出来るかどうか?訓練してみて。
そうすれば血狼と血鬼、両方の良い所が使える様に成るよ。」
四人の顔がぱっと明るく成ります。
「で、レドルは何処?」
『レドルさんは、カポネさんに相手を紹介してもらって、
今はカモンテと組んでいるはずです。』
「鴉かぁ。天使?黒きケルブですかね。」
『レドルさんは、地を行くオーガには空から大局を見る事が出来る
指揮者が必要だとおっしゃっていました。』
「う~ん、それは間違って居ないんだけど、血鬼だけでは無く、
眷属全体を考えると、鴉鬼も居るし、マウ元帥も居るんだけどね。
いいや、鴉鬼との合体が出来たら、
マウ元帥に使い方を考えてもらいましょうか」
「所でお前達、ボスの許可は取っているの?
ボスは結構狼としての姿形にこだわり、誇りを持ってるよ。」
ケンとリキが驚いた様に固まって居ます。
これは完璧に忘れて居ましたね。
下手をすると今までの訓練が無駄に成ります。
そうなると、自分達だけでは無く、
ブルラア、グリラアにも申訳がたちません。
ボスを納得させる理由が出来るかどうか、
ララさん、2.3日様子を見て見る事にした様です。
「じゃあ、私はレドルの所に行ってみるわ。」
そう言うと食堂を出ます。出がけにちらりとケンとリキを見ると、
まだ固まって居ます。ブルラア、グリラアが心配そうに見ています。
次話:レドルとカモンテ




