810話 アセナとゼーロ-------修練場
アセナとゼーロ-----修練場
ララさん、歩きながら思い出したようです。
「ああ、しまった。アンナにたのむの忘れた。」
「でも、アンナも自分の訓練で忙しそうだし、う~~ん。
そうだよ、レミ所の甲冑騎士、一体借りようか。うん、それで行こう。」
「レミの所は後で良いか、先にダリンの所に行きましょう。」
ダリンの訓練場に近く成ると、色々な剣戟の音が聞こえます。
「ん?何人でやっているんだ?」
入り口からひょいと覗いてみると、
ダリン一人に対し、アセナ様が三人、いやアポストロ(使徒)達の様です。
それぞれが違う武器を持って、ダリンとやり合って居ます。
「あれ?大剣はいつものだけど、盾とミドルソードが出てますね。
ムービングハンド、2本までは出来る様になりましたか、
でも三人相手では、押されていますよ、もっと効率よく使えるのにねぇ。」
横を見ると、サンサがティアをあやしており、傍ではアセナともう一人?
二人で何やら木剣を振って模擬戦?。
「あれ、誰だ?」
よく見ると、
「あれ、レミんとこの甲冑騎士じゃん。」
アセナがララに気が付いた様です。此方を向いて、木剣を上げますが、
好き蟻とばかりに甲冑騎士に頭を”ポコン”
『いて~!、卑怯だぞ!!』
甲冑騎士が剣先をアセナに向けて、何か言って居る様です。
『馬鹿やろぅ。卑怯じゃないってなんだよ!ララ様に挨拶してる時に
叩くのは卑怯だろう。』
甲冑騎士が抗弁していますね。
『模擬戦とララ様への挨拶の何方が大切かなんて、決まっているじゃないか。
ララ様だぞ、ララ様、そっちが大切に決まっているじゃないか。』
甲冑騎士が腰に手を当て、がサンサに向って、何か言って居ます。
サンサがこちらに挨拶、頭を下げてからアセナと甲冑騎士を並べて、
『今回は、アセナ、貴方ララ様に挨拶するのは良いわ、
でも、模擬戦の最中なんだから、相手に中止の合図をするべきだったわね、
ゼーロ(甲冑騎士)も相手に対する配慮が欲しかったわね。』
甲冑騎士が首を傾げています。
”おれ、悪かったのか?”みたいな感じです。
「ん?ゼーロ?この甲冑騎士の名前?」
『はい、ララ様、レミからこの子をアセナの遊び・いや、訓練の相手に
借りて、名前を付けさせてもらいました。』
「なる程ね、何か、他の甲冑騎士より賢い様な気がするけど、気のせい?」
『ララ様、名前を付けたせいでしょうか、少し賢くなり、剣術、戦いに関しても、
一段上がった様な気がします。』
「納得だね、サンサ、狼神族に名前を貰ったから、
レベルがUPしたんだと思うよ。」
『え?ララ様では無く、
私が名を付けただけでもそのような事が起きるんですか?』
「名を付けると言う事は、強い言霊が発動します。
サンサ、君は以前の狼人族ではないんだよ、より神に近い存在なんだ。
だからその効果も自分の能力を模写する程に成ります。
勿論、程度はあるけれど、それは目に見えるほどなんだよ。
この甲冑騎士でさえ、強くさせるほどにね。」
『それは、ゼーロを私の眷属にしたと言う事ですか?』
「いや、それほどの力は無いなぁ。
師匠、いや、学校の先生位かな。」
『それは、むやみに使ちゃあいけないですよね。』
「あははは、そんなに御大層な物では無いよ。」
「名を付けると言うことは相手に信が有る、
見込みがあると言う事だからあまり気にしなくてもいいよ。
そう言う事が有ると言う事を覚えておく位でいいよ。」
と話していると、ダリンが近付いて来ます。
次話:ダリン
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 登場者の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
ゼーロ:アセナの遊び相手の甲冑騎士、サンサに名を貰う。




