807話 食堂のお姉さん--------修練場
食堂のお姉さん-------修練場
食堂に入って、おばちゃん、もとい、おねえさんと目が合ったので、
手を上げると、目を丸くして、
〚あんた、何でここに居るの?〛
「はい、オト様に許可を頂いております。」
〚違うょぉ。ここは神域に近い所、オト様の許可が有ろうと、
そんなに簡単に出入りは出来ないの・・。あの話は本当みたいね。〛
「あの、最後の方が気に成るんですけど、あの話って?」
おねえさんが驚いた様に口に手を当てます。
〚ううん。単なるうわさ話。あなたを神域で見たという話。〛
「へぇ、それ、本当かも。」
お姉さんが驚いた様に後に二、三歩下がります。
ララさん、ちょっと不味いかもと思った様です。
「私に似た人が居るみたいね。前にもそんな事聞いた事が有るわ。」
〚そうね、似た人ね。〛
お姉さんが安心した様に呟きます。
「所で、最近、眷属達が困って居る様子ない?
まぁ、疲れたのしんどいのは除いてね。」
〚血鬼のレトア、ブコイが練習場が無いと言っていたわね。〛
「忘れてた、後からオト様と相談してみる。」
〚もう一つあったわ。そう言えば、この前、人族のウォルト達が、
サンチェスが舞踏会でやられた闇魔法の対処が判らないと、
こぼしていたわ。〛
「あらま、割と簡単な事なのにね。魔法に効率よく対応するには、
属性の反対の魔法か同じ属性の魔法を使う事なのにね。
今度そんな事言って居たらララが言って居たと教えて上げて。」
〚それは、ララが言って上げないとね。お昼だから、もう直ぐ来るよ。
これでも食べてちょっとそこに座って待って居なさい。〛
そう言って、ピスタチオのカップジェラ-トを出してくれます。
ララが何の気なしに受け取って、一口食べて。はっとお姉さんを見ます。
お姉さんがにたりと笑って、
〚美味しいでしょ。あんまりないから、みんなには当たらない品よ。〛
ララがスプーンを咥えたまま頷いています。
次話:ウォルト達のお悩み




