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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
798/970

798話 本邸、奥様への報告。

本邸、奥様への報告。


奥様の部屋の前に着き、ノックをしようとすると、ドアが開きます。

思わずのけぞって、前に二、三歩とっとっと。

たたらを踏んでしまいました。


そ知らぬ顔で体制を立て直し、カーテシー。

「ご挨拶が遅れまして、申し訳ありません。」


奥様が何か言う前にルビちゃんが飛んで来て、

『タマどこ。出して。』


驚きましたが、顔には出さず、

「タマ、ルビちゃんがお呼びだよ、出ておいで。」

影からぴょんと、黒い塊が出ます。


ルビちゃんが受け止め。

『タマだぁ~~』

そのまま部屋の奥、いつものスペースに拉致します。


奥様が呆れたようにルビちゃんを見て、何かを言う前に。

「奥様、これを。お茶の御供には少し重たいですけど。」

そう言って、火竜の唐揚げを出します。


パトラがお茶を入れ替えるのに、立ち上がりましたが、

すかさず一個お口に入れます。と、一回咀嚼した途端ララに振向き、


口を指さし、

『モガ、ゴモ、うみゃ。』


奥様が顔をしかめて、

『パトラ、たとえ身内でも、どんなに親しい人と一緒でも、

 口の中に入れたまま話してはいけません、絶対に。』


そう言って一つ口に入れて、2~3度咀嚼すると、

口を押えて、目を白黒、

『・・・』


声に成って居ませんが、慌てて、扇で口元を隠します。

ん?呑み込んだようです。

すかさず扇を取ると。


『ララ此れは、』

「はい、ファイヤードラゴンの唐揚げです。普通はたとえお貴族さまでも

 一生ご縁の無い食べ物ですね。」


『はぁ、』とため息を付いて、

『貴方に何処で獲ったのと聞く方が野暮ですね。』

「はい、美味しい物は黙って食べるのが一番です。」


「でも、食べ過ぎないでくださいね、料理長が、今夜は食べた事の無い

 お肉のステーキを出す様ですから。」


パトラが

『ラ、ララ止めて、美味しくて止まらなーい。』

「仕舞っていいの?」


『『『ダメ―!!』』』

「あら、ユニゾンですね」

いつの間にかルビちゃんも参戦しております。


それから幾らもかからず、

綺麗に無く成りました。

結構な量が有ったと思うのですが、


残ったのは三人の恨めしそうなお目目でした。

『ララ、まだあるの?』

奥様が意味ありげに・・・。


「いけません、これを食べると絶対後悔します。

 カロリーお化けですから、美容と健康の大敵です。」

『でも、食べたら運動すればいいんじゃない?』


パトラが問題無いとでも言う様に、反論します。

「あのね、あんたが今食べた分を運動で無かった事にするには

 あそこでやった訓練一日分に成るよ。やるかい?」


『あはははは・・・。』

パトラの乾いた笑いが、拒否しています。


『ララ、外のあれ、閉じ込められたみたいで嫌なんだけど、

 そこまでする必要有るの?』


奥様から思った通りの質問です。ご主人様に言った説明から、

スタンビートやダンジョンブレイクに絞って説明し、

警備兵を紹介したいと言って、逃げる算段をします。


次話:警備兵の紹介。

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