797話 本邸、サンダース料理長
本邸、サンダース料理長
「奥様と話す時、神々の事は言えないよね。
あと、余分な事は言わない様にしないと。
パトラ修練場の事話したかな。」
(「パトラ、奥様に修練場に行った事話した?」)
(『話してないよ。奥様にはララから紹介された特別な先生に
付いて訓練したとだけ言ってあるよ。』)
(「先生の名前は?」)
(『奥様に聞かれなかったから言ってないよ。』)
(「ありがと、料理長の所に寄ってから行くね。」)
(『は~い。』)
「あれ?パトラ何か性格変わった様な・・・。
ま、いいゃ。料理長の所に行こ。〔テレポート〕」
厨房の横、使用人用の食堂に入って行くと、
助手のポークやキッチンメイド達がグテ~と成っています。
昼食の戦闘が終わって、グテグテ休憩ですね。
小間使いのリンクとハンナが洗い物をしています。
料理長の顔が見えません。
給仕のパットに
「料理長しらな~い?」
『知らな~い』だって、
横に居たグリモが
『今夜の料理の材料確認で冷蔵庫に入ったぞ。』
「ありがと」
『あれ?今のララじゃない?』
洗い物をしていたハンナが振り向いて、言うと、
『ん?ララ、』
キッチンメイドのメアリーが顔を上げて、
『居ないよ、ララ。』
と、言った時にはララは冷蔵室の中でした。
「サンダースさん!」
ララが声を掛けると、冷蔵室の棚に首を突っ込んで探し物をしていた
料理長が”ゴン”棚の頭をぶつけた様です。
『つぉ!ラ、ララじゃねえか』
ぶつけた頭を撫でながら、涙目の片目でララを見ます。
『随分長い事見なかったけど、外のあれ、お前が作ったんだって?』
「うん、おいしそうでしょ。」
『美味しそぅ?誰に食わせんだ、あんなもん。』
ララがにたりと笑います。
何かを察した様に、料理長が、
『馬鹿野郎、あんなもん、何で出来ていようと俺は絶対食わんぞ。』
「あら~、美味しいのに。仕方ないわね、皆で食べましょ。」
「所で、お肉要る?」
『おう、待ってました。何がある?』
「今は、ベヒモスとグリフォンかな。」
それを聞いた料理長のけぞって、
『べひもすぅ!!。くれ、それくれ。』
ギルドでももっとくれ、有るだけくれって言われましたもんね。
取りあえず、ベヒモス一頭、解体台にデンと上げておきます。
これで料理長、午後は休憩なしで解体ですね。
食堂に戻ったララはマジックバックから、この前の宴会でくすねた
火竜の唐揚げをどんと出して。
「料理長要らないらしいから、皆で食べてね~」
と言って、奥様の部屋に向います。
後ろから、ワオ~とかギャオーとか聞こえました。
次話:奥様への報告。




