788話 岩の切り出し
岩の切り出し
「う~ん、どんな城壁にしようかな。レンガを積み上げたり、土魔法で土の壁を
作るのは面白くないから、岩山を切って角を合わせながら組み立ててみようか、
隙間は土魔法でミッチリ埋めて、頑丈にして、厚さ10m位、上をトロッコ列車
でも走らせてみようかな。眷属達はテレポートが有るから必要ないけど、
見学者が来た時便利だからね。形は五角形、五稜郭を参考にしてっと。
角に円形の塔を付けて、城壁にとりついた敵を攻撃出来る様にする。
高さは20m位かなぁ。堀は要らない。代わりに影魔法でダンジョンに続く
落とし穴。ダンジョンの餌にします。」
ララさん、独り言が多いですね。
「いいや、とにかくやってみましょう、」
(AIマスター、城壁を作る岩が無いんだけど、無くなっても良い岩山有る?)
《ララ様、山は道しるべにも成っておりますので、急に無くなっても良い
山は御座いません。海底の岩山ならば、いくつかありますが・・・》
(それって大丈夫?急になく成ると津波とか起きない?)
《バリアーで覆ってから、取り出し、その空間にゆっくり海水を満たして
行けば大丈夫です。》
(そんなでっかいバリアー、しかも水圧もあるのに?私には無理!)
《ララ様なら大丈夫ですけど・・・》
(たとえ出来てもヤダ。)
(「ちょっとでも油断したら・・・。
恐ろしい、潰れる未来しか見えない。」)
《仕方が有りません、そこは私が遣ります。》
(「おや、結構こちらに干渉出来るんですね。」)
《目立たない、人の世界に干渉しないのであれば、ある程度大丈夫です。》
《此方が座標に成ります。上空に移動して、
バリアーを張ってから海底に進んでください。》
AIマスターが示した所は海のど真ん中です。
バリアーを張って、海に潜ります。だんだん暗く成って行きます。
「どこまで行くの?」
《推進100m程の所に海底山脈の頂上が有ります。その山脈は硬いカンラン岩で
出来ているので、その中の山一つを持って行きましょう。》
(「さらりととんでもない事を言いますね。いや、出来ますけどね・・・。」)
《着きました。此処が頂上です。高さは2000m位、裾の直径も2000m位です。
では、バリアーは私が張りますので、マジックバックに入れちゃって下さい》
バリアーが張られたのを確認して、
「ドッコイしょー!」
《ララ様、特に掛け声は要らないのでは?》
(「あのねぇ、こういうのは気分もあるんだよ、気分も、
大体、あんなでかい物、その辺の石でも拾う様に言っちゃぁ駄目でしょ。」)
《・・・・・・》
(「じゃあ、私は戻るから、津波に成らない様に、御願いね。
それから、マジックバックの中の岩山だけど、10m四方のブロックに
して置いて、地震の時にずれないように、凸凹か三角屋根とそれに被さる
逆V字凹みをペアで作って置いてちょうだい。宜しくね。」)
そう言うと〔テレポート〕で飛んで行きました。
(《最近、大きな仕事が多くて困ります。闘技場を地下に、
今回は城壁のブロック作り、しかも10㎥・・・。》)
次話:本邸の城壁基礎作り。




