780話 血狼族の「草」
血狼族の「草」
狼の里です。
前で正座をしてる三人をボスが何も言わず、じっと見ています。
三人は人化したまま座っていますが、震えて、
今にもオシッコでも漏らしそうです。
ボスも迷っている様です。特にララの不興を買ったわけでもなく、
ボスの指示を守らなかったのは人化をしていた事だけなのです。
怒る程では無いが、さりとて、褒める事は出来ない。
そこでパニエルが口を開きます。
『あんたたち、明日から、修練場に行くよ、
ララ様があんたらと話して、新しい部門を作るらしいわ。
そのための教育をすると、言われているんだけど、
貴方達、ララ様にどんな事言ったの?』
ヴァンが顔を上げて話出します。覚悟を決めた様です。
『訓練や警備の仕事は大切では有りますが、
もっとララ様のお役に立って居ると言う実感、緊張感のある仕事がしたい、
同じ様な思いを抱いている者は自分だけでは無いと言いました。』
ボスがカッと目を開き、一括しようとした刹那、絶妙なタイミングで、
『確かに、安全であることが大前提の所での警備は気が緩むかもしれません、
でもそれが当たり前に成るのは警備と言えますか、一朝事があった時、
取り返しがつかなく成ります。それがが怖いのです。』
『ボス、これではララ様に申訳が経ちません。どうでしょう、時々警備の者達を
襲っては如何ですか?気が緩んで居なければ、怪我は軽微な物に成るけれども、
そうでなければ、死ぬ事は無いけれども、救急施設に御厄介に成る位の傷を負う
様にすれば、警備も緊張感が持続すると思います。』
ボスの顔を見て、パニエルが、意見を言います。
今まで、この様な事は無かったのに、
ボスが怒らない様にしたとも思える様な行動を取った事に少し驚きながら、
『それは良いかもしれない、後でララ様と話をしてみよう。』
『さて、お前達、明日から、修練場に行く事に成る。
おそらくは、そこで訓練を終えて帰って来た時には、お前達は新しい部署の
要、我血狼族の窓口、代表と成っていると思われる。心して挑め。』
ヴァン、ダイク、プリン三人が声をそろえ『『『承知致しました!』』』
その後、ボスから明日に備えて、今日は安めと言われ解散と成りました
三人が、立ち上がり、歩いて巣に向いますが、足取りが変です。
腰に力が入って居ない様ですね。
『おれ、本気でビビった。』
ヴァンに続いてダイクが、
『おれ、少しちびったかも』
二人がプリンを見ます。
『何よ、チビってなんかいないわよ。』
(本当は少し・・・)
次話:鴉鬼族の「草」。
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 第五回修練追加参加者(草教育) ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
血狼族:ヴァン、ダイク、プリン




