第二章 ララ編
誕生-------------
「ああ、ここからか、落ちて行くんだね。」
大陸の海沿いの山脈の内側の大きな森から離れた所、
大きい林が近くに有る古いお屋敷の二階の端の部屋。
かあさん、お腹が大きい、私が居るのかな。
何か編み物している、私の服?
男の人が入って来た、かあさんが立とうとすると、
「いいから、いいから」みたいな感じで座らせた。おとうさんかな?
「大丈夫かい?」「ええ」みたいな感じで話しているのかな?
優しいな、嬉しいな・・・。
おっ、早回し。
おとうさんの執務室かな、書類を読んではハンコ押してるけど、
ドアの方を見たり、何か落ち着かないみたい。
「おぎゃー!!」あっ、生まれた。おとうさん急いで出て行った。
部屋の前で、メイドと何か言い合ってる。
男か女か聞いているのかな?
おかあさんは元気か聞いているのかな?
うなづくと、執務室に戻って、執事に何か言ってるよ。
メイドがかあさんの所に連れて行ってくれるみたい、おとうさんが何か言ってる。
おかあさんは疲れた顔をしているけど嬉しそうに頷いてる。
あかちゃんは、しわしわ。って、私だわな。
おっ、早回し。
0~5歳----------
3か月くらいかな?まだ寝がえりは出来ないみたいだ。
お父さんが黒い物抱えてきた。猫だ、クロネコだ、一生の友たちかぁ。
んん、また早回し。
おっ、ハイハイしてるよ、おかあさんの方を見て、ま~ま、言ってる。
お母さんがびっくりして近寄って来る。抱っこされた。
おててを持たれて、お母さんのお鼻をチョンチョンして、
だ~れ?って言ってるみたい。
ま~ま。おかあさん喜んで、おとうさんの所に飛んで行ったよ。
もう一回、お鼻をチョンチョンして、だ~れ?って。ま~ま。
今度は、おとうさんが手を持ってお父さんのお鼻をチョンチョンして、
だ~れ?って。
それ無理でしょう。でも、「ま~ま。」だって。
おかあさんが嬉しそうに、跳ねているけど、お父さんの反撃。
みんな「ま~ま」じゃないか。ってきっと言ったね。
おかあさん膨れて出て行ったょ。
二人とも仲がよさそう。見ていて嬉しくなる。
また、早回し。
三歳くらいかな、私と猫が椅子に座って、お父さんの話を神妙に聞いている。
おかあさんも横に立っている。
何かやるのかな?あっ、名づけだ。聞こえないなぁ。
同化もまだ出来ないみたいだし。仕方ない、黙って見ているか。
早回し。
おっ!お誕生日だ。
三歳になったのか。あれ、まだ聞こえないな。
同化してみるか、波長を合わせる様にして・・・??なんか弾かれる。
猫がこっち見て怪訝そうな顔をしている。
今は控えた方がよさそうだな。この前と状況が少し異なる。
まず、話が聞こえない。猫が何か感づいている様だ。
早回しですか。
四歳くらいでしょうか、ずいぶん活発に成って来てます。
一人でいる時に試みて見ましょうか。
おやっ。眠くなったようですね。やってみましょう。駄目です。
猫が見てます。こいつが原因かもしれません。
猫に話しかけてみましょう。「ニャーン、ニャンニャカ、ニャ~ン」
「話が判るかい?」おっ視線が定まった。
「では、自己紹介しょう。我が名はルヴィ・ラウド、この子の未来の自我だ」
「戸惑うな、敵ではない」
「この子の危険を、危機を避けるため、未来から自我だけを飛ばしている」
信用出来ない?。無理もないか、
「この子を誘導するのは止めよう、その代わり、
お前にやってほしい事を伝える。この子を誘導して欲しい」
「お前の名は何という?」
『そんなことも判らない様では信用できない』だと、・・・・。
しょうがない、こっちの事情も話すか。」
「将来、何年か先に、おとうさんと、おかあさんが何者かに殺される。
私とお前は逃げる事が出来たが、
冒険者と成り、大変な思いをして、生きていく事に成る。」
「その後、貧しく苦労しながら生きていてが、ついには、追っ手につかまり、
お前は一瞬で殺される。私は殺されかけたが何とか生き延びた、しかし、
大半の記憶が失われ、特に関わった者たちの名前が思い出せなくなったのだ。
最近少しづつ思い出してはきたが、まだまだ抜けが多い」
「これが私の事情だ、君は主と強いきずなで結ばれている、
ならば、私と彼女が同じ存在だと気が付くはずだ。」
「そんな事は有りえないと言う理性が邪魔をしているのだろうか、
どうすれば私を信じる事が出来ますか?」
『たとえその話が事実だったとしても、今の俺には信じる事が出来ない』
「やはり、理性と常識が邪魔をしているのか、
でしたら、どうしても必要な事だけあなたに伝えます。」
「その内容を貴方が問題無いと判断したら行動を起こしてください。
それで良いですか?」
『行動するかしないかは俺に任せると言う事だな、それならいいだろう。』
この猫が全面協力をしない限りおとうさんとおかあさんは
死んでしまうのですね。
これはAIが仕組んだ事でしょうか、神の関与でしょうか、
どちらにしても、おとうさんとおかあさんは助からないのですね。
猫の排除は現実的では無いでしょうね、実態の無い私は魔法も、何も出来ません。
でも、猫の居ない隙にと言うのは有りかもしれませんが猫が戻ってきたら、
憑依している事は気付かれますし、体から追い出されるかもしれません。
もし、追い出されると、警戒され、次に憑依する事は出来ないでしょうね。
信用を失っては元も子も有りません。まだ時間が有るはずです、
チャンスを待ちましょう。
おや、早回しですか。
次話:地図




