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光と闇と薬師の少女  作者: 羽牟 星
750/966

750話 修練も残す所後三日

修練も残す所後三日


『ララ様、おきるにゃ~~~ぁ』

ララの被った毛布がモゾりと動きますが、それだけ、二度寝です。


『毎朝、毎朝、どうしてこんなに、寝起きが悪いニャ?

 低血圧なんて聞いてないニャ』


不用意に毛布に飛び乗ろうとした瞬間、毛布がガバーと広がり、

タマを包み込みます。

『〔テレポート〕うにゃにゃ、飛べないニャ。』


ララがテレポートも阻害する結界を張った様です。

「にゃんこ捕まえたー。」

『うぎゃぎゃ、ずるいニャ、テレポート出来ないニャ。』


「うっ、しっ、しっ。今朝は私の勝ちね。」

『遣られたニャ、悔しいにゃ。』


タマが毛づくろいを始めました。

にゃんこも気持ちを落ち着けるときには毛づくろいをするのでしょうか。


「さてと、修練場での訓練もあと三日ですね。マウ元帥に各自の能力や

 出来る事を把握する為に、皆と面接をする様に、その順番をお昼までに

 決めてもらわなくてはいけませんね。」


独り言を言いながら食堂に向います。食堂に入ると、ダリン食事中。

サンサはティアにミルクをやって居る所ですね。アセナがこちらにトコトコ

歩いて来ます。ララの足元までくると、ララを見上げて、


『ララ様、おはようございます。』

ララがしゃがんで、アセナと目線を同じにして、

「ちょっと見ないうちに大きく成ったねぇ、」


アセナを抱き上げようとすると、スッと一歩下がって

『ララ様、僕はもう一歳を越えました。我々血狼族は一年経てば大人です。

 子供扱いはご容赦ください。』


驚いてサンサを見ると、申し訳なさそうに頭を下げます。

「アセナ、そんなに急いで大人になる事は無いんだよ。

 これから君はお父さん、お母さん、兄妹、友達と一緒に、


 喜び、悲しみ、怒り、全てを経験し、仲間と生きる事を学ぶんだ、

 それが大人になる条件だよ。」


『ララ様、そんな事は知っています。僕は大丈夫です。』

「知っている事と、理解している事は違うよ、

 特に感情をコントロールする事は大人に成る事の絶対条件。」


『大丈夫です。出来ます。』

頭でっかちのこういう子は一度、経験しないと駄目でしょうね。

おでこに強めにデコピン、”パチン”


『あっ!!』

涙目で、

『痛いぃ。何するんですか。』


腕に魔力が貯まります。結構でかいですよ此れ。

強化系の魔法で、パンチが来ます。

当たれば代の大人でも吹っ飛ぶ程の威力ですね。


魔力を霧散させて、突き出した拳を受け取ります。

アセナが驚いた顔をしていますが、

「これが君の言う感情をコントロールしている事かな?」


『お父さんが、やられたらやり返せ、と言って居ました。』

おやおや、ダリンらしいですけど、アセナの力が強すぎます。


「でもね、お父さんは相手が死んでもかまわないとは

 言って居ないと思うけど?

 今の力だと、君と同じくらいの子供は大怪我か死んじゃうよ。」


「君が思うほど、自分は何も分かって居ない事を自覚しなさい。

 そうしないと、君は仲間から相手にされなく成ります。」


アセナが下を向いて、『でも、でも・・・。』

「泣きたくなったら、お母さんの所に行きなさい、

 誰も貴方の事を馬鹿にしたりはしませんよ。」


サンサの方を向かせて、おしりをポンと叩きます。

『うわ~~~ん!』

泣きながらサンサの所に走って行って、しがみついて大泣きです。


サンサがララに頭を下げます。

ララが手を上げて、食堂を後にします。

「あれ、ご飯食べてないや、まぁ、必要ないから良いけど。」


独り言を言うとマウ元帥の所に向います。


次話:マウ元帥の能力

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