745話 私の名前はティア
私の名前はティア
最初に呼ばれたのはダリン、
「あれ、緊張していますよ、こいつ。」
ダリンに聞こえた様です。
『だ、大丈夫ですララ様。』
何言ってんだか、右手と右足が一緒に出ていますよ。
少しして、ララが呼ばれます。赤ちゃんの顔を見た途端、
「この娘、知っている。何だろうこの感覚。」
(「凄く懐かしい、いつまでもお話をしていたい、
とても大切なお友達・・・。」)
そんなこと有りえないと、言う考えと、
既視感、デジャブが重なり、茫然となります。
『ララ様、大丈夫ですか?』
サンサの声ではっと成ります。
「うん、この娘とどこかで会った様な気がして・・・。
そんな事有るはずないのにね。」
ララが愛おしい様に、そっと頭に触れると、
言葉に成らない感情が飛び込んできます。
--ずっと一緒、困った時は必ず助けてあげる。--
ララが大きく目を開いたかと思うと、
ギュッと目を瞑り、涙が溢れます。
「有難う、でも今は、優しい家族と一緒に育ってね。」
「サンサ、この子の名前は?」
ララの様子を見て、驚いたのですが、気を取りなおし、
『はい、生まれた時に、神様、神界から、
ティアと言う名前が届きました。』
「ん?神の名前は?」
『それが良く分からないんですけど、
自分の持つ加護をすべて与えると言われました。』
「うっ、それは、生まれながらにして、その神の第一使徒、
と言う事じゃない。どの神だ? ティア、ティアかぁ。」
ララが眉間にしわを寄せて考えています。
(「解ったわ、でも言ってはいけない気がする。
良いわ、無理する事は無いわね。この子を守ってくれるんだから。
それでいいわ、今は。」)
自分の中で決着が付いた様です。
ダリンがぼそりと、
『結局俺は子供二人とも名前を付けれんかった。』
「何、ぼやいとるんじゃ、三人目はお前が付ければいいだろうが、」
『あ、そうか、三人目か・・・。』
『何言ってんだろね、この人は、その前にアセナとティアを
沢山可愛がってあげなきゃいけないでしょぅに。』
サンサが少しお冠です。
「この娘からは、火を司る神の力が感じるけど、強い火じゃなくて、
温かい、皆を温める様な優しい力を感じるわ。 優しい娘よ、
私もちょくちょく会いに来るわ、強い縁を感じるの。」
『有難うございます、宜しくお願い致します。』
サンサが嬉しそうにララにお礼を言いました。
「とにかく、母子共に元気、皆に報告しておくね。」
そう言うと、部屋を出て行きます。
食堂に行って、念話で全員に連絡します。
(「サンサに赤ちゃんが生まれたよー!母子共に健康!
女の子名前はティア、面会はしばらく遠慮してねー。」)
(『『『・・・『『おめでとー』』・・・』』』)
皆から念話が届きました。
お昼ご飯を食べて、みんなとお茶をして、
ティアの誕生祝い、どうしょうかと、
みんなでワチャワチャお話をして、外に出ます。
「そう言えば、最近アルテミスとアテナに会ってないなぁ。
もう一歳に成っただろうし、ちょっと行ってみますか。」
次話:アルテミスとアテナ
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 登場者の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
ティア:女の子
サンサとダリンの二人目。生まれながらに、とある神の第一使徒。
本当はタバサにしたかったんだけど・・・・。(羽牟)




