739話 ベルゼブブ
ベルゼブブ
ベルゼブブの屋敷に着いたジョジはメイドにご主人様は何処か尋ねると、
お食事中だと答える。
ジョジは【フム、】とだけ答えてダイニングルームに向います。
(【あの方は大食の大罪持ちなので食事時間が長いのは仕方がありませんね。】)
ダイニングルームに入ると、ご主人が食事を終え、
お茶を飲んでいる所でしたので、斜め後ろに立ち、腰をかがめて、
【ご主人様、ご意見を頂きたい事案が発生致しました。
後ほどお時間を頂きたいのですが。】
そう言うと、
【ん?ジョジか、執務室で聞くから、先に行っておれ。】
【承知致しました。】
先に退室し、執務室でお茶の用意をしていると、
ご主人が入室し、椅子に腰かけます。
お茶を出し、斜め後ろに立ち、ヴラド邸で起きた事を報告し、
転送先に侵入する方法が無いかと相談しました所、
【かなり高感度な魔力探知をされている様だな、
その様子だと、お前の存在もばれているぞ。】
【え!そんな】
驚いて思わず声を上げてしまいました。
【ふ~む、話からすると、ネズミにオオカミ、カラスか、
全て眷属の可能性があるな、そいつらの主人は、
かなり高位の吸血鬼だろう。】
【お前が考える様に、子爵程度では、そこまで眷属は作れん、
そのララとか言うメイド、怪しいな。】
【しかしご主人様、メイド如きにその様な・・・。】
【こらこら、先入観を捨てろ。ただのメイドが
そんなに自由にふるまえる訳が無かろう。その狼達が転移している先に
秘密がある。そこに侵入する方法か・・・。】
【こうしたらどうだ、転移する狼の毛皮にとりついても、弾かれるのは、
おそらく魔力感知だ。魔力を持たないか、アンノウンシールドを
かけた者なら可能性はあるな。】
【一番探知されないのは魔力を持たない者だな。ならば、これを持って行け】
そう言うと、小さな小箱を渡されました。
蓋を開けてみると、小さな蠅が二匹は言って居ます。
【この二匹は、どう見てもただの蠅だ、但し、一定時間が過ぎると20分程
飛び回り、周囲の状況を記憶する。探知不能のスパイが出来ないかと、
以前作った物だ。今回の役割にはぴったりだな。】
【使い方は、とりつく者を指定して、記憶が終わったら、とりついていた者の
所に帰るように念話で指示すればいい。2匹ペアで使え。】
【アンノウンシールドについては、失敗、探知されると、
侵入しようとする者が居る事がばれて、警戒される事が予想されるから、
全ての方法が失敗した時に行うべきだろう。】
【いずれにしても、その蠅を使った結果は報告しなさい。】
【有難うございます、早速使ってみます。】
【うむ、ヴラド邸に行くんだろうから、お前自身が探知されない様にな。】
【有難うございます、それでは行ってきます。】
そう言うと退室し、早速ヴラド邸に向います。
次話:蠅の潜入




