734話 ゲネメ研究所のベタスライム 1
ゲネメ研究所のベタスライム 1
此処はゲネメ研究所、
ゲネメがアザゼル公爵の所から転移魔方陣で飛んで来ました。
さるダンジョンの最下層、ダンジョン核がある部屋。
大きな培養槽が目立ちますが、
その他、雑多な物が所狭しと転がっています。
まぁ、こいつらに整理整頓は無理でしょうね。
ゲネメが天界に有る水鏡の様な所をのぞき込んでいます。
【メイドのララとか言ったな。まさか、わしらの最終目的が
ルビで有る事は知られてはいないと思うが、
ヴラド子爵の所のメイドと言うのが引っかかる。
う~む、どいつがララなんだ?
この水鏡は天界の物の劣化版じゃから音が出ん。
これでは判らんか。グリフォンの奴らに人相書きを作らせるか。】
独り言でそう言うと、転移魔方陣がある所に向います。
ゲネメが居なくなった後、何やらモゾりモゾりと動く者がいます。
スライムの様に纏まりは無く、ゼリーを床に落とした様な、崩れた、
ぐちゃりとした感じの黒くて気味の悪い物。幸い毛は生えていません。
此れで毛が生えていたら、燕尾服Gに負けない嫌悪感、破壊力が有ります。
それが培養槽の操作盤ににじり寄ると、手と目が一つづつ生えて来ました。
知識が有る様です。
その手で操作盤を動かすと、培養槽にプクプクと泡が出始めます。
すると、そのベタスライムから、一本の腕?指が有りませんが、出て来ました。
培養槽の上の蓋を少し開け、その隙間からその手を入れると、
握りこぶし位の塊がちぎれて落ちました。
培養槽の中でウゾウゾと動いて居ましたが、
小さく成り、消えてしまいました。
今度は隣の培養槽、中に色んな魔物をつぎはぎしたキメラが入って居ます。
その中にも手を落として、溶かし込みます。
するとキメラの目が開き、ベタスライムの方を見ますが、
目に感情が有りません。また、スッと目を閉じると、
何事もなかったかの様に培養槽に浮かんでいます。
他の五つの培養槽、この中にも大小異なる、キメラが入って居ますが、
その中の一つは人型、更にもう一つに羽の生えた人?天使?が入って
居ます。おや、最初の培養槽の中で小さいですが、動く者が居ます。
何かが生まれてのでしょうか。と、すると、培養槽を使って、
キメラたちを作っているのは、このベタスライムと言う事でしょうか?
合計七つの培養槽、さて、何が生まれるのでしょう。
次話:ゲネメ研究所のベタスライム 2
☆¨*:♦.,☆¨*:♦., 登場者の紹介 ☆¨*:♦.,☆¨*:♦.,
ベタスライム:
ゲネメ研究所の廃品からゲネメが生み出した魔法生物。
一般のスライムはグミの様な球形、しっかりとした形を溜めてるが、
此方は床にべったりと張り付くように存在。アメーバの様な微細な生き物の
集合体の様にも見える。目と手を出せる、知能は有る、言語能力不明。




